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暮らしの設備編
Y.Y.様邸 第6回
不便も一挙に解決!美しい住まいは、暮らしやすさも格別
お気に入りのアンティーク家具に合わせて、空間のレイアウトを決めていったY様ご夫婦。美意識に満ちた住まいを追求すると同時に、生活の快適度アップにも手間を惜しみませんでした。第6回目は設備選びや予算の考え方、工務店選びの秘訣について伺います。
不便さを解消しながら、生活空間にときめきをプラス
1階のトイレ・浴室・洗面台は、既に3年前にリフォームされたと伺いました。
奥様:そのころ一時的に体調を崩しており、浴室の段差や床の滑りやすさに不便を感じていたのです。工務店さんに相談したところ、掃除のしやすさやコストパフォーマンスの面でTOTO製品をお勧めいただきました。浴室を「サザナ」にしてからは「ほっカラリ床」で滑りにくくなった上、足元が暖かくて助かっています。収納スペースが少なくて困っていた洗面所は、「オクターブ」に変えてからぐんと使いやすくなりましたね。
不便さが一気に解消されたのですね。トイレについてはいかがですか? 1階と2階、それぞれテイストを変えているのもさすがです。
奥様:一番のお気に入りは1階のトイレ。照明や鏡にもこだわって、アンティーク調で統一しました。2階のトイレは黄色を基調にとお伝えしました。ガーデニングをモチーフにした壁紙は「ちょっとかわい過ぎるかな」と思いましたが、これに決めて大正解でしたね。ここに入るたびに、気持ちがとっても明るくなりますから。
冬もあったか。二重窓で快適さが格段にアップ
その他にも、快適さを感じるようになった箇所はありますか?
奥様:1階のリビング・ダイニングと2階の寝室につけた二重窓ですね。以前は特に寝室の結露がすごくて、冬場は寒くて仕方がありませんでした。起床の1時間前にタイマーで暖房をつけておかないと、起き上がれないほどだったのです。YKK APの「プラマードU」に替えてからは結露が一切出なくなった上、とても暖かくなって目覚めが楽になりました。設計段階では「二重窓にしてもあまり変わらないと思うけど…」と乗り気でなかった主人も、今ではその絶大な効果を実感していますよ。
健康にも良くて、光熱費も節約できる。まさに一石二鳥ですね。さらに私が素敵だと感じたのは、窓枠の色をアンティーク家具よりも薄いブラウンになさったこと。家具と同系色でまとめたら、かなり重たい雰囲気になってしまったと思います。リビング・ダイニングのフローリングも、あえて薄めのトーンを選んだのですよね?
奥様:その通りです。フローリングはDAIKENの「Myフロア」をお勧めいただきましたが、この色味と木目の風合いがアンティーク空間にぴったりで気に入っています。
窓枠、フローリング、梁、カーテンレール…。これらをどの色にするかによって、空間全体の印象が大きく変わります。Y様は窓枠と床をナチュラルな色にしたことで、アンティーク家具が醸し出す重厚感にプロヴァンス風の明るさが加わりました。工務店さんのセンスと努力がにじみ出ていて感心します。
ワンポイントアドバイス
持ち物の優先順位を決めよう
美しい物に囲まれたY様邸ですが、リフォーム前は物が多く雑然としていたそうです。私はいつも、設計段階で施主様がお持ちの家具をすべて書き出して、優先順位を決めていただくようにしています。その際、前回の「ワンポイントアドバイス」でお伝えしたように、リフォームのテーマが明確だと、迷いなく持ち物を取捨選択することができます。思い入れのある物ほど手元に残しておきたいものですが、「つくりたい世界」がはっきりしていれば無理なく判断できますよ。
予算オーバーでも、納得の提案で後悔なし
当初の予算はどれくらいでしたか?
奥様:最初は500万円くらいと考えていましたが、結局倍以上かかってしまいました。でも最終的に、リフォームしたすべての箇所に満足できましたので、悔いはありません。これから何十年も住む家ですから、納得のいく内容であれば多少オーバーしてもいいのではないでしょうか。まあ、私たちの場合はオーバーの度合いが「多少」どころではありませんでしたが(笑)。
リフォームで実現したいことと予算とのせめぎ合いを感じない人はいないと思いますが、やむをえない事情がある場合を除き、私も思い切って「やる」方をお勧めします。というのも、リフォームでその願いをかなえてしまえば、「あの場所をこうすれば良かった…」という思いに煩わされなくなるからです。不思議なもので空間を一新すると、諦めた場所や妥協した点がかえって目についてしまうもの。反対に、心から納得のできる住まいができれば、「またみんなで頑張っていこう!」と生きる活力がわいてきます。空間にはそれぐらいの力があると、私は思います。
奥様:工務店を決める前、数社に見積もりを出していただきました。今回お願いしたところは一番安い金額を提示した会社ではありませんでしたが、ここにお願いして本当に良かったと思っています。私の場合、実は第一印象で「この工務店さんがいいな」と感じていたのです。ですから値段よりも何よりも、気持ちの通じ合う工務店さんを見つけることが大事ではないでしょうか。
ワンポイントアドバイス
工務店選びは、担当者との相性を重視しよう
「女性目線の細やかな気配りが素敵」と、ご自身にフィットする工務店さんを第一印象で感じ取っていたY様。工務店選びは、リフォーム後の暮らしを左右する重要なポイントです。そして工務店さんは、住まいが完成するまでの期間、呼吸を合わせてともに歩む大切なパートナーとなります。ぜひ「話しやすいか」「親身に対応してくれそうか」「自分の好きな世界を理解してくれそうか」など、ご自身との相性を基準にチェックしてみてください。
生活の一瞬一瞬が、優しさと豊かさで満たされる
ここまでお話を伺ってきて、Y様の幸せをたくさんおすそ分けしていただいた気分です。リフォーム後は、暮らしがどのように変わりましたか?
奥様:ダイニングスペースが広くなったことで、孫たちが遊びに来たときに1つのテーブルを囲んで食事ができるようになりました。みんなでこのテーブルをぐるりと囲むのを、ずっと楽しみにしていたのです。
食事もおいしくなりますよね。お1人、あるいはご夫婦の時間はいかがですか?
奥様:リフォームの前と後では、「こんなにも違うのか」と驚くほど良い気分ですね。例えば、ダイニングに座っているとき。リフォーム前はピアノとエレクトーンでふさがれていた窓を、リフォーム後は開けられるようになったので、風が行き交う心地いい空間になりました。晴れた朝は窓をすべて開け放し、小鳥のさえずりを聞きながら庭の緑を眺めています。1点ずつデザインの異なるランプやアンティークのキャビネット、大好きな小物たちに囲まれて…心から幸せを感じるひとときですね。おかげでテレビを見る時間がめっきり減りました。
本当に素敵ですね。今回のリフォームの成功をあえて1つ挙げるならば、構想から仕上がりまで一貫して、Y様が「アンティーク家具への深い愛」を貫いた点ではないでしょうか。そして、「それらの物たちを優しく包み込むのはどのような空間だろう?」と、工務店さんと二人三脚で模索なさいました。Y様の生き生きとしたお顔を見ていると、新しい住まいがどれほど心に充足感をもたらしているかが伝わってきます。
プロフィール
Y様(愛知県)
昨年、築30年になる愛知県春日井市のご自宅をリフォーム。フルート演奏、染め花、ガーデニング、アロマハンドトリートメントとさまざまな趣味を楽しむ奥様のたっての希望で、念願の「アンティーク家具が映える家」を実現。
大塚泰子氏(有限会社ノアノア空間工房)
建築家。「どうしたら建築が豊かさを育てるのか」をテーマに、これまでに約80軒の住宅設計、約20店の店舗設計を手がける。近著に『小さな家のつくり方 ~女性建築家が考えた66の空間アイデア~』(草思社)。
リフォーム情報
家族構成 | 夫+妻 | 面積 | 110m²⇒110m² | 形態 | 戸建住宅 | 日数 | 70日 |
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築年数 | 30年 | 費用 | 1,180万円
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採用商品 | TOTO:トイレ「レストパルL型」/浴室「サザナ」/洗面台「オクターブ」 YKK AP:窓「プラマードU」 DAIKEN:床材「Myフロア」 「ハピアフロア」 |
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担当店 |
株式会社リビング春日井
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