新しい年、あるいは新しい年度を迎えるタイミングで、学校や仕事など生活に変化が生まれるという人も多いのでは。そんなときにお勧めしたいのが、収納のリフォームです。単に収納を増やすだけでなく、暮らしのスタイルに合わせて必要な場所に配置することで、家事も効率的にこなせるようになります。今回は、場所別に収納プランのアイデアをご紹介します。
わが家にあるモノをリストアップ。
どこに何があるか、把握しよう
モノがあふれるわが家。必要なのは、部屋ごとにそこで使うモノを適材適所にしまう収納です。どこで何をしまうか。そのためのスペースはどのくらい必要なのか。適切な収納計画を立てるための第一歩は、わが家にあるモノの種類と量のリストアップです。
モノを整理して、わが家をもっときれいにしたい、というのは誰しも願うこと。しかし、時間に追われるまま、その辺にモノが出しっぱなしになっていたり、「あれが必要だな」というときには置き場所を忘れて、あちこち探し回る羽目に陥ったり。余計な時間がかかりなかなか用事が終わらなかった、という経験はありませんか?
本当に必要なのは、その部屋で使用するモノがそれぞれふさわしい場所にある収納です。よく使うものはすぐ手の届くところに、使用頻度の低いモノは目につかないところにおさめるものの、使うときには即座に取り出すことができるといったイメージです。
そのためにまず大切なのは、部屋ごとに何を、どのくらい置いているのか把握することです。玄関、リビング・ダイニング、キッチン、トイレ、洗面脱衣室、主寝室、個室など、主要な部屋について、現時点でそこにあるモノを書き出してみましょう。それぞれの数量、サイズなども一緒に記入すると、必要な収納のサイズを検討しやすくなります。
この作業を行うと不要なモノの存在にも気が付くはず。それらを処分するだけでも部屋はかなりすっきりとします。
システムキッチンを選ぶときには
収納の機能にも注目を
家の中でも、多種多様なモノを使用するのがキッチン。ここをうまく整理整頓できれば1日の家事がぐんと時短できます。ポイントはシステムキッチンの選び方と、背後の収納キャビネットのレイアウトです。
キッチンでは調理、食器洗いを中心に、さまざまな作業を行います。いずれの作業もスムーズにこなすには、実は収納が大きなポイントに。
近年のシステムキッチンは、収納についてもよく研究され、多くの人が使いやすいように設計されています。たとえば昨今、上段の吊り戸棚以外の収納はほとんどが引き出しになりました。引き出しには、しっかり奥まで使い切れるうえ、しまったモノをひとめで把握しやすいというメリットがあります。
さらに、使うモノをスムーズに出し入れできるよう、寸法や内部の仕切りなどが工夫されています。自分の調理や片付けの習慣を思い描きながら、収納のサイズや配置、仕切り方をチェックしてシステムキッチンを選ぶとよいでしょう。
吊り戸棚
視線より高い位置にある収納には、食品の保存容器、弁当箱、水筒など使用頻度が低く、軽量のモノを入れます。奥のモノが取り出しやすいように、プラスチック製の収納ボックスなどを内部間仕切りとして使うと便利です。
シンク下収納
手が届きやすいので、食器洗いの洗剤や漂白剤などお手入れに関するモノ、包丁やまな板、鍋やフライパンなど日常的に調理に使うモノの収納に向きます。コンロ近くに醤油や食用サラダ油などの大きなボトルを入れられる深い引き出し、調味料を入れる浅い引き出しなどが配されていると便利です。計量カップなど小さいモノも必要なので、引き出し内部は、間仕切りトレイなどを使って、区分けするとすっきりと整理できます。
下段(床付近)の引き出し
土鍋やカセットコンロのように使用頻度がやや低いモノ、重いモノなどをしまいます。例えば、お鍋用のお玉や菜箸のような道具も同じ場所にしまっておくと、使用時に一度に取り出せて便利です。
またシステムキッチン本体の背後に据える収納キャビネットも重要な拠点です。炊飯器、ミキサー、コーヒーメーカーなど、使用頻度や見栄えを考えながら、棚や引き出しのレイアウトを検討しましょう。
キッチンをリフォームする際には、さらに以下の4点にも気を付けると、収納がぐっと使いやすくなります。
通路の壁面に収納をつくる
キッチンに隣接する通路の壁面に収納があれば、移動中などにさっと出し入れできます。家事動線に収納を組み込むと、効率よく動けます。
ダイニングにもキッチン収納を少々派遣
キッチンと隣り合うダイニングにも、食事用の食器やカトラリーなどの収納を確保しておくと、配膳の際に便利です。
キッチン家電の置き場にはコンセントを用意
炊飯器や電子レンジなどのキッチン家電を置く場所には、コンセントの用意を。家電の電源コードを目立たせずにすみます。ミキサーやトースターなど複数の機器を同時に使うこともあるので、コンセントの数は多めにしておくとよいでしょう。
ゴミ箱の収納場所を決める
キッチンではゴミ箱も意外と場所をとるもの。定位置を収納棚などの一部に計画しておくと、キッチンがすっきりします。シンクとの距離も含め検討を。
スペースに余裕があれば、パントリーの設置もお勧めです。収納量が多く、またダイニングなどからの視線を気にせず、米や乾物、缶詰などのストック品を十分にしまえるのがメリット。しまうモノと量に合わせて、間口の幅や広さ、棚の配置などを決めていきます。
リビング・ダイニングでは
壁面収納を活用してすっきりと
家族の集まる場であり、接客にも使われるリビングとダイニング。いつもきれいに整えておきたい場所ですが、文房具や清掃用具、書籍やDVDなど意外にいろいろなモノを使用する場面があります。壁面収納を活用すると、様々なモノを、見た目にもすっきりと整理できます。
リビングやダイニングは、家族が集い、団らんを楽しむ場所です。長い時間を過ごすため、多くのモノが集まってしまいます。
その反面、お客様を迎える場でもあるため、掃除道具なども含め、きれいな状態に整えられるようにしたいですね。
そこでお勧めしたいのが扉付きの壁面収納(DAIKEN)(※一例)です。床から天井までの壁面いっぱいを活用することで、十分な収納の容量を確保しながら、すっきりとモノを片付けることができます。雑貨などのディスプレイも楽しみたい方は、オープン棚を組み合わせる手もあります。
リビング階段を取り入れる場合には、階段の下部なども収納として利用できます。掃除機を入れたり、子どものおもちゃ置き場、ペットの居場所、無線LANなどの機材の設置など、さまざまな用途に使えます。
スペースの限られた洗面脱衣室では
それぞれの用途に合う収納方法がカギ
キッチンと並んで多種多様なモノがひしめく場が洗面脱衣室です。限られたスペースに用途の異なるモノが混在するため、雑然としがち。改善のポイントは、用途ごとにしまう場所を決め整理すること。そのためには、収納の充実した洗面化粧台を選ぶこと、しまうモノに合う収納棚を新設することがお勧めです。
洗面脱衣室では、風呂上りに使うタオル類などのほか、洗顔、スキンケア、メイク、ヘアケアなどに使うグッズ、洗濯機があれば洗剤や洗濯かご、洗濯ばさみなどの置き場にもなります。
まずは洗面脱衣室ではどのような作業を行いたいのか、明確にしておきましょう。そのうえで、使用するモノの大きさに合わせた収納の仕方や、作業しやすいレイアウトを考えます。
ゆっくり時間をかけてメイクしたいのであれば、化粧品などを置けるような広めのカウンターがあると便利です。ドライヤーや電動歯ブラシ、コンタクトレンズの洗浄機など電化製品を使うならコンセントを確保したいもの。
近年の洗面化粧台は、デザイン性が高く、清掃性にも優れているほか、収納にもさまざまな工夫が施されています。洗面化粧台まわりや洗面脱衣室で使用するモノを把握して、ボウル下の引き出しや鏡裏の棚のサイズや形状、機能を確認します。
また、その他の入浴や洗濯に関するモノについては、洗濯機とともにおさめられるような収納棚などを設けると、片づけやすくなります。洗剤類など大きく重量のあるストック品は、床下収納も検討を。
玄関のシューズクロークが人気。
靴のほか、外出に関連するモノをまとめて収納
従来の住宅で収納量が足りていない場所のひとつが玄関です。昔ながらの下足収納では、普段使いの靴しかおさまりません。外出時に必要なものをしまっておく、広めのシューズクロークの人気が高まっています。
築20年以上の既存住宅では、玄関には幅1m、高さ70㎝ほどの下足収納があるのが一般的です。しかし、このサイズでは家族分のすべての靴はおさまりにくく、普段使いの靴やサンダルなどは、玄関土間に出しっぱなしになりがちです。
そのため、近年の新築住宅ではシューズクロークを設ける例が増えています。シューズクロークとは、玄関に隣接した収納スペースのこと。玄関から続いた土間を通じて土足で入ることができ、靴のほか、コートなどの外出着、傘、ベビーカーなどを収納できます。
リフォームの場合は、玄関に隣接する個室や納戸などをシューズクロークにつくり替えるというプランがよくみられます。収納が増えて便利になる一方で、土足で利用するスペースが広がるため、土やほこりが室内に入らないよう、清掃が大切に。また、シューズクロークに扉をつけない場合は、臭いや湿気が室内へ移らないよう、換気設備を付けるなどの対策も必要です。玄関ドアに、閉めたまま換気ができる「通風ドア」(YKK AP)などを併用してもいいでしょう。
玄関に靴が出ていないだけでも、広く爽やかに見えるもの。来客が最初に目にするため、わが家の第一印象もイメージアップするに違いありません。
寝室はウォークインクローゼットで
収納量を大幅アップ
限られた面積の住まいの中でも、寝室を使うのは夜のみ。そのままではもったいないので、既設のクローゼットを広げて、ウォークインクローゼットやウォークスルークローゼットに。多くの衣類を整然と収納でき、朝夕の身支度の場としても重宝します。
寝室は基本的に着替えて寝るだけ、というお宅も多いことでしょう。そうすると、ベッドまわりは、衣類やバッグの一時置き場になりがち。そのままではやがて、積もり積もって寝室全体が物置のように雑然としてしまうかもしれません。
そこでお勧めしたいのが、既設のクローゼットを拡張してウォークインクローゼットに変更するリフォームです。隣接する個室や廊下をつなげると、より広くすることができます。
2~4畳程度のウォークインクローゼットなら、夫婦それぞれの衣服を一か所にまとめられます。そうすると、外出時や帰宅時などほとんどの着替えと衣類の片付けは、寝室1箇所でスピーディに済ませられます。
衣服を吊るすポールのほか、バッグや帽子などのファッション小物、大型のスーツケースなどが一目で探しやすく整理・収納できるように棚を計画するのもお勧めです。
小屋裏には使用頻度の低いモノを。
可能なら出入りするための階段を設置
家の中であまり活用されていない、戸建ての小屋裏空間。階段を設置して、採光、通風・換気などを配慮すると、収納場所としてもっと積極的に活用できます。
小屋裏を利用したいわゆるロフト収納は、比較的空間が広く、収納量も多いのが利点。使用頻度の低い、例えば、五月人形、スキー用品など一定の季節のみに使用するモノは、ここを定位置に。その分、居室に近い収納スペースに余裕ができるはずです。
さらにロフトに照明や小窓・換気設備などを設ければ、収納品が探しやすく、湿気がこもりにくくなるなど使い勝手が向上します。
ただし、折り畳み式のはしごでは、荷物を持ったまま出入りするのが難しい場合もあるでしょう。そこで、法規荷重などに問題がなければ、リフォームの際に、ロフト収納とともに出入りする階段の計画を。
ロフトへ上がる階段を固定式とする場合には、自治体によっては建築基準法の階段規定(幅: 75cm以上、蹴上: 23cm以下、踏面: 15cm以上)を満たす必要があります。また自治体によっては、ロフトに固定階段の設置が認められない場合もあるので、事前に確認が必要です。
所持しているモノの種類や数量を正確に把握することで必要な収納の配置、サイズなどを具体的につかむことが可能になります。そのうえで、必要な場所に必要なモノをおさめられるように収納を計画すれば、新居は家じゅうすっきりと保ちやすくなり、毎日の生活はもっと快適になること間違いありません。
TDYのコラボレーションショールームでは、TOTOの水まわり商品、DAIKENの建材、YKK APの窓商品など、リモデルに役立つ商品をご覧いただけます。 またTOTO、DAIKEN、YKK APがご提案している「十人十家(じゅうにんといえ)」でも、それらの商品を取り入れたさまざまなリフォーム空間をご覧いただけますので、ぜひご活用ください。
収納力をサポートする
商品のご紹介
出し入れしやすく、整理整頓しやすい商品をしっかり選ぶ。まずはそこで収納力をぐんとアップさせましょう。ショールームで実際に使うと、自分に合うものを見極めやすくなります。
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TOTO システムキッチン
ザ・クラッソ上質なクリスタルカウンターが輝き、暮らしに美しく調和。多彩な先進機能も兼ね備えた、心ときめくキッチンです。
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TOTO 洗面化粧台
ドレーナおしゃれな洗面化粧台を手軽にカスタマイズ。暮らし方やトレンドにあわせた、お好みの洗面空間を実現します。
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DAIKEN 内部ユニット
FiTIO(フィティオ)スペースにあわせてジャストフィットできる収納です。玄関やクローゼットなどの天井までのスペースをムダなく活用できます。
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DAIKEN スタイリッシュファニチャー
MiSEL使いやすさと充分な収納力。バランスの良さがキッチンワークの効率をアップ。
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DAIKEN システム収納
フィットシェルフお部屋の空きスペースにジャストサイズで取り付けることができる、シンプルな構成の棚型システム収納です。
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YKK AP アルミインテリア建材
famitto(ファミット)アルミフレームによるノイズレスなデザインと3つの素材による対応力がスタイリングの可能性を広げます。
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YKK AP ドアリモ
玄関ドア1日で簡単に交換できる玄関ドアのリフォームで、外気の侵入を抑え、夏は涼しく冬は暖かい玄関に変わります。
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TDY オンラインリフォーム
相談センターご自宅にいながら、お持ちのスマホ・パソコン・タブレットで、簡単にリフォームについてご相談いただけます。
※この記事内容は、2025年12月24日時点での情報です。ご了承ください。
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