省エネで家事がしやすい住まいにリフォームすると最大30万円の補助金が交付される、
国土交通省の「こどもみらい住宅支援事業」。
子育て・若者世帯が既存住宅購入してリフォームする場合は60万円、
新築住宅の建築や購入も対象になります。
申請は遅くとも2023年3月31日まで。なるべく早めの検討開始がおすすめです。
ここでは、リフォームを中心に、補助金の対象となる条件や注意点を見ていきます。
「こどもみらい住宅支援事業」とは?
制度の全体像を知っておこう
「こどもみらい住宅支援事業」は、「子育て支援」と「2050年カーボンニュートラルの実現」という2つの観点から、省エネ性能の高い新築住宅の建設・購入や、住宅の省エネ改修を補助するものです。
リフォームするなら
誰もが利用可能!
補助の対象となるのは、2021年11月26日から2023年3月31日(予定)までに工事請負契約または売買契約を結んだ新築・購入・リフォームです。そのうち「一定の省エネ性能を有する住宅」の新築・購入のみ契約期限は2022年6月30日です。事業名に「こどもみらい」とある通り、主に子育て世帯と若者夫婦世帯を支援する制度ですが、リフォームについては、年齢や家族構成を問わず対象になります。法人や管理組合も含まれます。
制度の目的の1つが「2050年カーボンニュートラルの実現」なので、新築・リフォームともに、ポイントは「省エネ性能」です。新築住宅の建設・購入の場合、一定以上の省エネ性能を有することが必須条件で、性能が高いほど補助金の額も高く設定されています(下表参照)。リフォームについては次章で詳しく説明しますが、省エネ性能を高める工事を行うことが必須条件です。
2021年度に実施された「グリーン住宅ポイント制度」と異なり、「こどもみらい住宅支援事業」は「補助金」が交付されることも重要な点です。ポイント制と違って現金なので、使いみちが制限されることもありません。
どんなリフォームでいくらもらえる?
工事の内容や条件をチェック!
リフォームでは、断熱改修やエコ住宅設備の設置を行うことが必要です。併せて行う子育て対応改修や耐震改修なども補助の対象になります。以下、具体的に見ていきましょう。
補助金をもらうための
必須の工事とは?
補助金を受けるために必須工事は、「(1)開口部(窓・ドア)の断熱改修」「(2)外壁、屋根・天井または床の断熱改修」「(3)エコ住宅設備の設置」の3種類。このうち、少なくともいずれか1つは行わなくてはなりません。
おのおのの工事の内容と補助額を表にまとめました。
(1)開口部(窓・ドア)の断熱改修
開口部の断熱改修では、既存窓の内側に新たな「内窓」を設置する方法や、既存の窓枠に新しい窓を取り付ける「カバー工法」の外窓交換などがあります。どちらも壁を壊さずに工事ができるので、住まいながら短工期で済み、騒音も抑えられます。
(2)外壁、屋根・天井または床の
断熱改修
外壁、屋根・天井または床の断熱改修は、標準改修か部分改修かで補助額が異なります。定められた量の断熱材を使用しないと「部分改修」とみなされて補助が半額になってしまうので注意しましょう。
(3)エコ住宅設備の設置
太陽熱利用システム、高断熱浴槽、高効率給湯機の補助額は「1戸あたり」ですが、節水型トイレと節湯水栓は「1台あたり」なので、複数か所設置すれば、それだけ補助額が増えます。
子育て対応改修や
高機能エアコンも対象
必須工事に加えて、「子育て対応改修」や耐震改修、バリアフリー改修を行うと、それぞれ補助額が加算されます。コロナ禍を受けて「空気清浄機能・換気機能付きエアコンの設置」も対象になりました。工事のほか「リフォーム瑕疵保険」または「大規模修繕工事瑕疵保険」への加入も対象です。
「子育て対応改修」には、「家事負担軽減に資する住宅設備の設置」「キッチンセットの交換を伴う対面化改修」「防犯性の向上に資する開口部の改修」「生活騒音への配慮に資する開口部の改修」があり、子育て世帯でなくても対象になります。
開口部とバリアフリーは
補助額に注意
以上のうち、「開口部の改修」と「バリアフリー改修」の補助額については、少し注意が必要です。
「開口部の改修」には、前章の必須工事に該当する「断熱改修」と、子育て対応改修の「防犯性の向上」「生活騒音への配慮」の3種類があります。しかし、補助は開口部1つにつき1種類のみ適用されます。
多くの断熱窓は遮音性を兼ね備えているので、断熱改修を行えば「生活騒音への配慮」も行ったことになります。例えば、上表の「大」に相当するテラス窓の交換を行った場合、補助額はどちらも2万1000円です。このときは、2種類の合計額ではなく、2万1000円が適用されます。一方で、断熱性や遮音性の高い窓でも、必ずしも防犯性能(CPマーク)を備えているとは限りません。テラス窓をCPマーク付きの断熱窓に交換すると、補助額は断熱改修より高い、「防犯性の向上」に対する2万9000円が適用されます。
バリアフリー改修の補助額は、すべて「1戸あたり」で設定されています。同一の工事種類については、1か所でも2か所でも補助額は変わりません。例えば、手すりは何か所設置しても5000円ですが、手すりの設置に併せて段差解消を行えば5000円+6000円で1万1000円になります。
補助金合計5万円以上が必要
1回のリフォームに対し、補助金の合計が5万円以上になることが申請の必須条件です。上限は前述の通り世帯によって異なり、子育て世帯・若者夫婦世帯は45万円(既存住宅を購入してリフォームする場合は60万円)、それ以外は30万円(「安心R住宅」を購入してリフォームする場合は45万円)です。同じ住宅で複数回のリフォームを行った場合も、各回で要件を満たせば、上限までの補助が受けられます。
計画はお早めに!
補助金をもらうための手続き
工事の内容のほかにも、補助金を受けるために必要な条件、手続きがあります。重要なのは、工事を依頼する先が「こどもみらい住宅事業者」として登録されていることです。更に、きちんと工事請負契約を結ぶこと。「こどもみらい住宅事業者」とは、あらかじめこの事業に登録した事業者のことで、事業者登録が完了した後に着工した工事でなければ補助の対象になりません。工事登録業者、あるいは工事までに登録を完了できる業者であることを必ず確認してください。
補助金の交付申請などの手続きは事業者が行い、発注者に還元します。工事代金の請求額から補助金分を差し引くのが原則ですが、現金で還付する方法もあります。どちらの方法をとるかは、あらかじめ所定の様式の書面で取り決めます。
申請期間は2023年3月31日までを予定していますが、事業予算の執行状況によって締め切りが早まる可能性が高いと予想されます。交付申請の予約も可能ですが、補助金を活用してリフォームをするなら、なるべく早めに検討を始めたいところです。
戸建てでもマンションでも!
補助金がもらえるリフォームプラン例
では、補助の条件を満たすリフォームプランとは? ここからは、戸建てとマンション、それぞれの具体例をご紹介しましょう。
【戸建て1】家族が集まるLDKを快適に! 節電効果もアップ
LDKの窓をまとめて断熱改修するプラン。家族がいちばん長い時間を過ごす場所を集中的に断熱すれば、ぐっと快適に暮らせるようになるはずです。冷暖房の使用時間も長いので、省エネ・節約にも効果的。大小4か所の窓で合計6万7000円、勝手口のドア交換もプラスすると、合計9万5000円の補助が受けられます。
【戸建て2】家事がラクになる浴室・トイレ。熱や水のロスも防ぐ
気になる水まわりを集中リフォームするプラン。節水型で掃除しやすいトイレに交換し、立ったり座ったりを助ける手すりを追加します。浴室は洗面所との段差を解消し、出入り口も広く。節湯水栓と高断熱浴槽、窓断熱で省エネ性能を高め、浴室乾燥機もプラスして補助合計は12万3000円。浴室だけのリフォームでも10万4000円で、5万円を超えるので、補助の対象になります。
【マンション】窓断熱だけでも省エネに大きな効果!
戸建てに比べて外気に接する面積が小さいマンションでは、窓を断熱化するだけで、省エネにも快適性にも、大きな効果が期待できます。全部で4か所ある窓をすべて断熱改修すれば、補助金は合計7万2000円。さらに、掃除がしやすい節水型トイレへのリフォームをプラスすると、合計9万1000円になります。
オンラインで
シミュレーションできる!
TDYのリフォーム情報サイトでは、「補助金シミュレーション リフォーム版」を用意しています。どんなリフォームをしたいか、プルダウンメニューから選択していくだけで、獲得できる予定補助額と水道光熱費の節約効果が試算できます。
「こどもみらい住宅支援事業」につきまして、より詳しく知りたい方はTDYの特設ウェブサイトをご覧ください。
全国のTDYのコラボレーションショールームでは、TOTOの水まわり、DAIKENの内装建材、YKK APの窓・玄関ドアなど、「こどもみらい住宅支援事業」の関連商品をご覧いただけます。またTOTO、DAIKEN、YKK APがご提案している「十人十家(じゅうにんといえ)」では、くらしのさまざまな想いを形にした空間をご提案しています。ぜひご活用ください。
「こどもみらい住宅支援事業」活用に
おすすめの商品のご紹介
当支援事業の補助対象になる商品をラインナップしました。家事や省エネに役立つ商品が豊富にそろっています。
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TOTO 戸建て住宅向けシステムバスルーム
シンラリラックスを追求した新機能を搭載。日常を快適にするTOTOのこだわりをバスルームに。
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DAIKEN 住まいの強度をアップする耐震改修キット
ダイライト耐震かべ かべ大将いまお住まいの家を地震に強くする耐震リフォーム向けの商品です。天井も床も壊さずに取り付けができるため、工事日数が短く、コストも抑えられます。
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YKK AP マドリモ
樹脂窓壁工事不要のカバー工法で、窓をスピード交換。暑さ寒さの原因となっていた古い窓を、新築にも使われている最新の窓に替えて、より快適で健康、ローエネな暮らしにすることができます。
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YKK AP マドリモ
内窓 プラマードU今ある窓に内窓を取付けて二重窓に。窓の断熱性を高め、住まいの暑さ、寒さのお悩みを解消できます。室外からの騒音対策にも効果的です。
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YKK AP ドアリモ
玄関ドア D30壁工事不要のカバー工法で、ドアを1日でスピード交換。住みながら最新の玄関ドアへリフォームできます。豊富な機能、デザイン、カラーでエントランス空間づくりを始めませんか?
※この記事内容は、2022年5月25日時点での情報です。ご了承ください。
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