(写真/特記以外、TDY)
新しい製品や技術がリリースされ、次々に魅力的な事例がWEB上に現れるなど、常に変化を続けているリフォームのかたち。リフォームのトレンドは、これからどのように変わっていくのでしょうか。ユーザー、プロも注目する住まい・暮らしのポータルサイト「SUUMO」(リクルート)の副編集長、福澤 佳恵さんに、SUUMOジャーナルの2025年の人気記事トップ10をもとに、2026年のトレンドの行方について語っていただきました。
プロフィール
福澤 佳恵(ふくざわ よしえ)さん
注文住宅領域で営業を経験後、2006年より編集部にて住宅雑誌、「HOUSING」「SUUMOリフォーム」「中古を買ってリノベーション」「住まいの設備を選ぶ本」(当時)などの編集長を歴任。2017年よりSUUMO副編集長を兼任。「日本の家をもっと自由に」をモットーに、メディア出演や講演・執筆活動を展開。神奈川県葉山町の米軍フラットハウスをリノベーションして居住。2人の男児の子育てを通じて、生活者視点を大切にした情報発信を行っている。リフォームで住まいが再生し、
新たなコミュニティが生まれる
実は福澤さん自身もリフォーム経験者。マンションリフォームののち、戸建てのリノベーションを実践し、現在もその家にお住まいです。リフォームで成功した点、失敗した点についてお聞きしました。
福澤さんが初めて経験したリフォームは、ご実家だったマンション住戸の改修でした。築45年ほどのマンション、最上階の角部屋。好条件の住まいのように聞こえますが、夏の日射熱が屋根から室内を直撃、冬は寒風の吹きさらしに。建物全体の断熱性が低かったため、二面の外壁・窓からの熱気、冷気に悩まされたと話します。
「仕事柄、性能をよくすればもっと快適に住めるのではと思い、結婚後、子どもが生まれる前に床・壁・天井に断熱材を入れて、断熱性を高めたうえで水まわりと内装を中心にリフォームしました。リフォームの自由さ、楽しさを実感しました」(福澤さん)。
また、豊かな自然環境を求めて、神奈川県・葉山で購入していた築50年近い家もリノベーションで再生。そこは米軍関係者が居住するために建てた木造の平屋、いわゆる「米軍住宅」でした。
その建物は、すでに仕事を通じてリフォームの知識を蓄えていた福澤さんの目からは、「いま主流のべた基礎ではないし、床下からの湿気で柱や梁などの構造部分が傷んでいないか、心配」という状態でした。
しかし、地元の工務店とともに構造を確認してみると、古い梁が味わい深く、木材も思ったほどは腐朽していなかったそう。基礎に鉄筋を入れてコンクリートを打ち直し、屋根や壁には新たに断熱材を入れて、耐震性と断熱性を高めました。
3LDKだった間取りは、玄関、水まわりの配置を変え、2LDKに再構成。広々としたリビングを中心とした開放感のある室内は、さわやかな西海岸風のインテリアにまとめました。
後悔しているのは、お風呂をシステムバスにしなかったこと。床・壁を防水施工し、浴槽を設置しましたが、それでも「床下に漏水して木材を腐らせたり、湿気がシロアリを呼び込むのではないかとちょっと心配しています。システムバスなら、防水性は高いですし、洗い場は暖かく、清潔も保ちやすいですよね。いまは、浴室の床や壁に張ったタイルの赤カビと日夜戦っています(苦笑)」(福澤さん)。
それでもリフォームで得られたものは大きいそう。「なによりこの家がまた生まれ変わってくれたのがうれしい。私たちが住んで、友人たちもやってくるようになって、この家を舞台に新たなコミュニティが誕生しました。リフォームには大きな可能性があるとあらためて感じています」(福澤さん)。
2025年の人気記事から見る
リフォームのいまとこれからのトレンド
住宅業界のトレンドをいちはやく反映するWEBサイト、「SUUMOジャーナル」。2025年に人気だった記事から現在のリフォームの流れを読み解き、福澤さんが解説します。主なテーマを3点挙げてもらいました。
その1
部分断熱のすすめ
「SUUMOジャーナル」で2025年に人気だったリフォーム関連の記事上位10本は、下の表のようになりました。「これだけでもリフォームのトレンドや流れが見てとれますね」と福澤さん。
「SUUMOジャーナル」2025年の人気記事
[ ]はキーワード
ひとつめのポイントは、「部分断熱が人気急上昇」。住宅の高性能化が推進される一方で、工事費や資材などの高騰が続き、わが家の性能を上げたくても建て替えやフルリノベーションは予算的に厳しい...。そんなユーザーのために、近年は、部分ごとに住まいの断熱性を高める製品が現れています。壁・天井用の「断熱吸音ウールR」(DAIKEN)と、床用の「断熱吸音ウールB」(DAIKEN)、内窓「ウチリモ 内窓」(YKK AP)などが一例です。
「特に窓まわりは工夫しだいで効果的に断熱性を高めることができます。賃貸住宅で簡易な手づくりの内窓を取り付けるWEB動画もよく見られている様子。コストパフォーマンスもよく、みなさん関心がありますね。この部分断熱への注目は、持ち家、賃貸に関わらずこれからまだ続いていきそうです」(福澤さん)。
その2
老後の住まい、シニアの住み替え
1位の「50代の団地おひとりさまライフ!」のように、先々のことを見据えた、老後の住まいやシニア層の住み替えに関する記事も人気があるそうです。「今後の自分たちの住まいや暮らしにどのような選択肢があるのかヒントになる、疑似体験できるようなレポート記事はよく読まれます」(福澤さん)。
それも「こうしたら楽しい」「こうしたらラクに暮らせる」といったものが求められています。福澤さんも経験したような、リフォームのもつ、暮らしを前向きに進化させる力が期待されているのかもしれません。
また、5位の「築74年・家賃1万円の団地」、6位の「DIY可賃貸をリノベ」のように、団地のリフォームも反応がいい記事。「古い、狭い、といったイメージのある団地の住戸がリフォームによってガラリと生まれ変わる様子が共感を呼んでいるようです。そのような悩みは、団地に限らず、リフォームを望む方々に共通する要素のひとつだからでしょう」(福澤さん)。
同様に楽しい未来を感じさせるものとして、二拠点生活に関わる、4位の「温泉付き物件をリモートワーク活用」、10位の「近距離二拠点生活」なども。二拠点生活・居住は、新しい選択肢のひとつとして、リタイア組のみならず幅広い世代に注目されています。「全国的に空き家が増えていきますが、このようなポジティブな活用の仕方を考えたいですね」(福澤さん)
その3
リモートワークの最適化
3つめのポイントは、コロナ禍以降、一般的になってきたリモートワークについてです。これまで「自宅」と「会社」とで、生活と仕事の場が分けられていましたが、リモートワークが普及したことで、生活の場である自宅に、新たに仕事の場が取り込まれるようになりました。その結果、リフォームによって、それぞれの家庭と仕事に合わせた、わが家ならではのリモートワークの形が生まれています。
「押し入れを書斎に変えたり、リビングを仕切って仕事場にしたり、リフォームなどによって、新しいワークライフバランスを実現した事例が多く見られます。みなさん、記事の事例などを参考にしているのではないでしょうか」(福澤さん)。
室内にインナーテラスを設ける間仕切り戸「ラインフレーム」(DAIKEN)や、スタイリッシュで開放的な印象を与えるガラスタイプの間仕切「famitto」(YKK AP)などのように、自宅でワークスペースを確保するのに役立つ製品も開発されています。
ただし、DIYをするときには、注意すべき点が多々あるとのこと。下記に一部をまとめました。
【DIYを実施する際の注意点】
- ・主に注文住宅の場合、建物に対する保証の対象がどこまでかを確認する。外壁など構造に関わる場所や内装について、DIYをするとメーカー保証対象外になることもあるので、住宅メーカーに要確認
- ・主に分譲マンションの場合、管理規約と区分所有法を確認する。内窓の取り付けは可能だが、共用部となる外側の窓や玄関ドアの外側をいじってはいけないなどのルールがある。また床材を変更するときも遮音性などの仕様について管理組合に確認する
- ・主に賃貸住宅の場合、「原状回復義務」があるため、計画しているDIYが可能かどうか大家や管理会社に確認が必要
- ・作業の際に音が出る可能性があれば、上下左右の住戸の方にご挨拶するなど、マナーを守る。賃貸か持ち家か、戸建てかマンションかによって(それぞれ必要な)配慮をする
リフォームを成功に導く
3つのアドバイス
福澤さんはリフォームに関する豊かな経験と見識から、リフォームコンテストの審査にも協力しています。コンテストで着目した事例を通じて、リフォームを志す読者のみなさんに3つのアドバイスをまとめてくれました。
その1
「住み替えない選択肢」を意識すること
まずひとつめのアドバイスは、リフォームの際に「住み替えない選択肢」を意識すること。
今よりも広い家に引っ越す、ということは、住まいの価格が高騰する昨今の時勢ではハードルが高くなってきています。
そこで無理に新しい家を探すのではなく、いま住んでいる家をもう一度見直して、リフォームなどで家族の現況に合う住みやすい環境をつくる。そのような選択肢が見直されてきたと考えられます。
「SUUMOの記事にあったように、いまの住まいのほかに、近所や好きな場所の空き家を安く入手しリフォームして、二拠点で暮らすことも検討するといいかもしれません。人や家族が複数の拠点をもつと、人生は豊かになると思っています」(福澤さん)。
その2
家族が思い思いに過ごせる、それぞれの居場所を確保する
一緒にいる場所だけでなく、家族それぞれが好きな時に自由に過ごせる場所もつくっておきたいもの。たとえば、リビングの一角でもかまいません。小上がりの畳スペースをつくって高低差をつけたり、2段ベッドのようなスペースを設え、上段を子どもの遊び場にし下段には収納を設けたり(下記写真参照)。このように空間を立体的に使うと、今までと同じ床面積でもより広く暮らせます。
書斎や趣味の部屋を新たにつくる場合、家の間仕切りの位置を変更したり増やしたりするケースが大半。しかし、先に述べたように、ひとつの空間にそれぞれが好むような多彩な居場所を計画しておくと、家族の存在を感じながら自分のテリトリーで読書やオンラインゲームを楽しむ、といった過ごし方も。毎日の暮らしがより楽しくなります。
「ポイントはこれまでの家族の暮らしや気持ちを犠牲にしないこと。リビングを削ってひとつ"個室"をつくらなくても、工夫して新たな居場所を生み出すことは十分に可能です。一度、固定概念を取り払って、ぜひリフォームのプロと一緒にそのようなプランニングを楽しんでみてください」(福澤さん)。
その3
「残す・替える」の審美眼を養う
これからリフォームする家について、今あるよさを活かす(残す)ところ、新しくするところ、それぞれをきちんと検討し納得いく形にプランがまとまると、必要最小限のコストで十分な収穫を得ることができるはず。
自分たちが思い入れをもつポイントはどこなのか、また客観的にみてどこに魅力がある家なのか。家族でじっくり話し合って、「残す・替える」の見極めに取り組んでみることをおすすめします。
「耐震性、断熱性などの基本性能のチェックと更新も忘れずに。次の世代に残す意義のある家に生まれ変わるのではないでしょうか」(福澤さん)。
最後に、「いちばん大切なのは生活者としての視点を忘れないこと」と福澤さんは強調します。「これまでにない生活がしたい」と夢がふくらむ新築に対して、リフォームは地に足の着いた生活者としての悩みを解消することで面白いプランに発展していく傾向があります。たとえば、家事の負担を減らすために、浴室、脱衣室、洗面所をコンパクトにまとめたり、そこに隣接するウォークインクローゼットを通り抜けられるようにしたり(参考記事「"洗う・干す・しまう"を洗面所に集約!家事時短の拠点をつくろう」)。リモートワークのスペースをつくるために、寝室のコーナーや押し入れを書斎に改造したり。
家事、育児、仕事に追われる現実を熟知しているからこそ、夢物語のような憧れではなく、切実で実践的なプランへと研ぎ澄まされていくのかもしれません。
「自分たちの暮らしは自分たちがよくわかっています。いま何に困っていて、どうしたいのか。何度でも今の暮らしを見直してみてください。そこにリフォームの答えが眠っていると思います」(福澤さん)。
TDYのコラボレーションショールームでは、TOTOの水まわり商品、DAIKENの建材、YKK
APのエクステリア商品など、快適な家づくりに活用できる商品をご覧いただけます。
またTOTO、DAIKEN、YKK
APがご提案している「十人十家(じゅうにんといえ)」でも、それらの商品を取り入れたさまざまなリフォーム空間をご覧いただけますので、ぜひご活用ください。
トレンドワード、「築古」「断熱」
「リモートワーク」などに
関わる商品のご紹介
インテリアを刷新するとともに、空間の快適さや機能性を向上させるリフォームにおすすめの商品です。
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TOTO 洗面化粧台
ドレーナおしゃれな洗面化粧台を手軽にカスタマイズ。暮らし方やトレンドにあわせた、お好みの洗面空間を実現します。
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DAIKEN ラインフレーム[インセット] 4枚引違
スリムなフレームにシックな黒が映えるスタイリッシュな間仕切戸。プラスαの暮らしが楽しめるインナーテラスに最適です。
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DAIKEN クリアトーン12SⅡラインアート
ジョイント部が目立ちにくい美しい仕上がりが魅力で、不快な生活音や室内の響きを和らげてくれます。調湿・消臭性能も併せもちます。
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DAIKEN グラビオ羽目板V 古木柄
古木調の風合いが魅力で不燃性にもすぐれた羽目板です。天井材だけでなく、壁材としてもお使いいただけます。
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YKK AP ウチリモ 内窓
いまある窓の内側に新しい窓を取付けて二重窓に。1窓約60分の簡単施工で断熱性・気密性が高まります。
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YKK AP アルミインテリア建材
famitto(ファミット)アルミフレームによるノイズレスなデザインと3つの素材による対応力がスタイリングの可能性を広げます。
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TDY リフォーム相談窓口のご案内
(TOTO・DAIKEN・YKK AP)リフォーム業者の選び方は?商品について詳しく聞きたい!そんなお悩みにお答えします。
※この記事内容は、2026年04月28日時点での情報です。ご了承ください。
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