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住まいの機能編
K様邸 第10回
住みやすさも、美しさも。
工務店さんと作り上げた理想の家
青いドアをアクセントに、隅々までセンスを感じるマンション空間を実現されたK様ご家族。ご家族の暮らしやすさを支える設備や収納も、じっくりと考え抜かれた物ばかりでした。今回は、K様邸の機能面での工夫を中心にお話を伺いました。
日当たりが良過ぎるのが難点。窓とシェードで夏の暑さ対策
ご主人:リビングは日当たりが良い分、「夏はとにかく暑い」と父から聞いていました。暑さのあまり、網入りガラスがひび割れるほどだったそうです。そこで、太陽の日射熱をカットする複層ガラスをつけました。
ベランダには、日よけのシェードも取り付けていますね。
ご主人:これも父の提案で、散歩中にあるお宅のシェードを見かけたのがきっかけです。実際に住んでみて、直射日光を遮ることでこんなにも過ごしやすくなるのかと実感しています。
なるほど。窓のガラスは「建築資材」に分類され、シェードは「暮らしの資材」に当たります。私たち住まいのプロは建築資材には強いのですが、その一方で、暮らしの資材には意外と疎いことがあるのです。ですから、施主様が「こういう資材をつけてみたい」と積極的に発言してくださるのはとてもありがたいですね。お互いのアイディアを取り入れることで、住まいの質はさらにアップしますから。
ご主人:夏の暑さ対策としては、北の通路側にある明かり取りの窓も一役買っています。つぶしてしまうかどうか迷いましたが、残して本当に良かった。リビングに気持ちの良い風が通るようになりましたから。
フローリング、ドア、ドアノブ。迷いに迷った色選び
奥様:リビングと個室のフローリングは、DAIKENの「ハピアフロア」にしました。決め手は肌触り。ショールームで実際に踏ませてもらいましたが、ふんわりと柔らかいのです。
ご主人:それにしても、TOTO、DAIKEN、YKK APの東京コラボレーションショールームに行ったときは興奮したなあ。「技術はここまで進んでいるのか」と感心しました。けれど、展示商品があまりに魅力的だったからつい欲しくなって、これまで固めてきた設備プランをご破算にしてしまうところだったのです。
奥様:あのときは完全に舞い上がっていましたね(笑)。後で反省して、最初のプランに立ち返りました。そうそう、フローリングの色を決めるまでも紆余曲折がありました。私は全部屋の床を落ち着いた茶系で統一するつもりでしたが、工務店さんが「部屋ごとに床の色を変え、個々に雰囲気を作ってみては?」と勧めてくれたのです。そこで、思い切って寝室に明るいトーンの色を選びました。
ご主人:個室のドアもそう。工務店さんが「茶系よりも白の方が広く見えますよ」と教えてくれました。僕らはつい凝りたくなってしまうけれど、色を極力抑えておいて本当に良かったです。出来上がるとそれを実感しますね。
ドアを白にしたのは正解でしたね。それから黒いドアノブも素敵です。このノブのほか、青いドアのノブやキッチンの飾り棚のL型アイアンなど、K様邸ではところどころに黒を用いて引き締め感を出しています。工務店さんが、ディテールの部分までしっかり目を配っていたのがよく分かります。
ワンポイントアドバイス
ショールームで迷ったら、もう一度振り返って
最新の設備がテーマ別に展示されているショールームに行くと、ワクワクしますよね。本物に触れ、機能の説明を受けると心から納得して選ぶことができますから、ぜひ活用することをお勧めします。その一方で、K様のようにショールームで気持ちが舞い上がってしまうというのもよくある話。その勢いであれもこれも選んでしまうと、住まいの統一感が損なわれてしまいます。その場で即断せず、「自分たちに合う設備は何だろうか?」と振り返る時間を持ちましょう。迷ったときは、工務店さんに相談することも役に立ちますよ。
見せる収納と隠す収納の合わせ技で、センスのあるすっきり空間へ
素敵な雑貨のディスプレイがある一方で、お部屋全体には物があふれていない印象です。収納面ではどんな工夫をされたのでしょうか。
ご主人:リビングに戸棚を作っていただいて、細々とした生活必需品を入れています。おもちゃもリビング西端の棚に入る分だけと決めて、引っ越しのタイミングでかなり捨てました。
奥様:寝室と子ども部屋には、大きなウォークインクローゼットを設けました。衣類のほか、ひな人形などかさばる物も余裕で収納できます。飾り棚の小物は、ごちゃごちゃしないよう厳選してディスプレイしています。以前住んでいた賃貸マンションでしまいこんでいた物が、ようやく日の目を見ました。
キッチンの使い勝手はいかがですか? 作業台と一体型になった白いシンクがいいですね。明るい印象になるし、お手入れもしやすそうです。
奥様:システムキッチンはTOTOの「ミッテ」にしましたが、大容量のスライド式キャビネットをはじめ、使いやすさは格別です。遊びに来た友だちが、「食洗機の音が静かだね」と驚いていました。
奥様がリフォームの推進役。夫婦間の役割分担が、成功の鍵
リフォームを振り返って、成功の秘訣は何でしょうか?
ご主人:すべてに言えることですが、物事を成功に導く鍵ってやっぱりコミュニケーションだと思うのです。今回のリフォームではまず夫婦間で目線合わせができ、その後、工務店さんとも目線を合わせることができました。その結果、理想の住まいのイメージをブラさずに広げていけました。
奥様:同感です。途中、仕様の変更をお願いするなど工務店さんにはご迷惑をおかけしましたが、本音を言いやすい空気を作ってくださったおかげで、悔いのない仕上がりになりました。最後まで辛抱強く面倒を見てくださって、本当に感謝しています。
工務店さんが快く引き受けてくれたのは、そこにK様の細やかな気遣いがあったからではないでしょうか。何度も変更が生じたりすると工務店さんの負担は大きくなりますが、そのとき「お金を払っているのだから当然」という態度で依頼すると、必ず相手に伝わってしまいます。反対に、ちょっとした気遣いの言葉を添えるとその思いやりが励みとなって、「よし、また頑張ろう」と思えるものですから。
奥様:もう一つ、家族の中で責任者を決めたのも、成功の秘訣かもしれません。我が家の場合、みんなの意見をまとめ、主導権を握ってぐいぐい進めるのは私、私が迷ったときに背中を押すのは主人と、自然と役割分担が決まりました。
それ、すごく大切ですね。役割分担を事前に決めておくとスムーズに進めることができる上、リフォーム後も家族全員が幸せな気持ちで暮らすことができるのではないでしょうか。「みんなでやり遂げた!」という実感を持てると一体感が高まって、新しい生活がいっそう満ち足りたものになります。子育てにも良い影響がありそうですね。
ワンポイントアドバイス
家族内の役割分担ができると、リフォームがさらに充実!
K様ご家族は、住まいのイメージについてご夫婦間でしっかり目線合わせを行った後、奥様が推進役、ご主人がスーパーバイザー役という立場に立ってリフォームを実施されました。また、物件をよくご存じであるご主人のお父様が、物件の課題点を明確にすることで大きな道筋を示されました。こうした役割分担は、リフォームにおいて非常に大切なところ。最高のチームワークを発揮してリフォームを成功に導くために、各々の役割を事前に話し合っておきましょう。
プロフィール
K様(東京都)
3歳のお嬢様とご夫婦の仲良しご家族。賃貸マンション暮らしを経て、2017年7月にご主人のお父様が所有するマンションへ転居。リフォームにより、オリジナリティのある住居空間を生み出されました。
大塚泰子氏(有限会社ノアノア空間工房)
建築家。「どうしたら建築が豊かさを育てるのか」をテーマに、これまでに約80軒の住宅設計、約20店の店舗設計を手がける。近著に『小さな家のつくり方 ~女性建築家が考えた66の空間アイデア~』(草思社)。
リフォーム情報
家族構成 | 夫+妻+娘 | 面積 | 70.53m²⇒70.53m² | 形態 | 分譲マンション | 日数 | 60日 |
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築年数 | 20年 | 費用 | 1,098万円 | ||||
採用商品 | TOTO:キッチン「ミッテ」/トイレ「ピュアレストQR+アプリコット」/浴室「マンションリモデルバスルーム」 YKK AP:窓「リモデルウインドウ」/洋風すだれ「アウターシェード」 DAIKEN:床「ハピアフロア銘木柄」/ドア「ハピアベイシス」 |
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担当店 |
株式会社グッディーホーム
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