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暗さ・寒さ解消編
I.Y.様邸 第7回
暗さと寒さの二重苦にさよなら!
最新リフォームで、究極の快適さを追求
築80年の趣ある邸宅にお住まいのY様ご夫婦。けれど、住まいの古さからくる寒さや結露、間取りの使いづらさなど多くの不満を抱えていらっしゃったそうです。今回、大々的にリフォームして最高の住み心地を実現されたお2人に、成功の秘訣を伺いました。
使い勝手の悪い2世帯住宅。暗さと寒さを何とかしたい!
ご主人:築80年を数える我が家は、元々ある映画監督が建てた家で、50年ほど前に両親が購入したと聞いています。その後、私たちの結婚を機に夫婦専用のリビングとキッチンを増築してもらい、2世帯同居を始めました。
リフォーム前の間取りを見ると、部屋の数がとても多いですね。
ご主人:そうなのです。まず、1階の中央の大部分をめったに使わない客間が占めていました。残った狭いスペースに無理やり2世帯分のリビングとキッチンを作ったので、広いのに狭いという感じで。
奥様:そのせいで動線もぐちゃぐちゃでした。例えば1階で洗濯したあと、わざわざ階段を上がって2階奥にあるベランダに洗濯物を干しに行かなければならなくて、とても苦痛でした。
ご主人:しかも壁が多いために光が遮られ、リビングは、昼間でも照明をつけないと新聞が読めないほど暗かったのです。すき間風もひどくて、家の中をアリが行列で歩いていることもしばしば。冬は暖房をつけないと室温が外気温とほぼ同じで、吐く息が白い状態でした。床暖房やエアコンをつけても寒くて寒くて…。
間取りを見ると、はっきり申し上げて大変ご不便されていたことがよく分かります。本当に1階は真っ暗で大変だったのではと思います。
ご主人:ええ。それでも結婚を機に増築してもらったので、リフォームは念頭にありませんでした。ようやく決断したのは5年前。母が老人ホームに入るとき、「家はあなたたちの好きなようにしていいから」といってくれたのがきっかけです。「とにかく明るくて暖かい家に住みたい」。それが、家族全員の心からの願いでした。
契約寸前で不安が生じ、数社に見積もりを依頼
長年の夢がかなったのですね。リフォーム会社選びはどのようにされましたか?
ご主人:まず初めに別会社の展示会に訪れたところ、営業マンにグイグイ押し込まれ、気がつくと契約直前という事態になっていました。けれど、以前の間取りで最大のネックだった1階中央の客間を「そのまま残しましょう」といわれ、不信感が決定的になったのです。
客間を残すとなると動線が変わらないので、リフォームの意味がなくなってしまいますね。
ご主人:その後、気を取り直して4社のリフォーム会社を検討することに。その結果、ハウスドゥさんのプランが最も暮らしやすそうで魅力的に感じました。
ワンポイントアドバイス
自分たちに合うリフォーム会社は必ずいる!ぜひ諦めずに出会いを重ねて
リフォーム会社は、理想の住まいを形にするためになくてはならないパートナー。最初から良いリフォーム会社に出会えればいいのですが、Y様のようにすんなりといかないケースもあります。気持ちに迷いが残るときはぜひ数社に依頼して、比較検討してみてください。そのときの判断基準はコミュニケーションが取りやすいか、安心感を抱けるか、そして何より自分たちの願いを具現化した設計プランを提案してくれるか。プランを見たとき、「この先の生活に夢を抱けてワクワクする」ことが重要なポイントです。
減築して吹き抜けを作る設計で、光あふれる住まいに
具体的に、どのような点が住みやすそうだと感じましたか?
ご主人:何といっても、家の中央に吹き抜けのあるリビングを作るというアイデアですね。以前の住まいは2階に使っていない部屋がたくさんありました。ですからそれを撤去して、1階と2階を吹き抜け構造にするという提案に「なるほど」と思いました。
床面積を減らす「減築」ですね。減築は、ここ数年で脚光を浴びるようになった設計スタイル。それまでは「もったいない」という気持ちから、増築のリフォームが主流でした。けれど、人々のライフスタイルが変化するにつれ、「コンパクトに暮らす」ことの価値が認められるようになってきたのです。
奥様:実際、減築することでグンと暮らしやすくなりました。何より吹き抜けを作ったことで、吹き抜けを囲む窓から光がふんだんに差し込むようになりました。1階と2階の窓を開け放すと、風が通り抜けてとっても気持ちがいいのですよ。天井の高さも開放的で大満足です。
暗くて寒かった住まいが、明るくて暖かい住まいに見事に生まれ変わりましたね。減築で床面積は減りましたが、まさに「損して得とれ」です。
最新技術の合わせ技で、暗さ・寒さとは無縁の住空間に
ご主人:今回のリフォームは、暗さと寒さを解消することが最優先課題でした。そこで、吹き抜けのあるリビングという設計面での工夫に加え、最新技術を使った設備を導入して快適性を追求しています。リフォーム会社さんからは、快適な住まいには、「①高い気密性と断熱性」「②適切な冷暖房」「③計画的な換気」という3つのポイントが不可欠だと教えていただきました。
家の壁面に発泡性の吹き付け式ウレタン断熱材を施して気密性と断熱性を高めたのは、そういう訳ですね。その一方で24時間換気システムを導入し、室内の空気を常に清潔に保つ工夫もなさっています。気密性・断熱性の向上と換気を両輪で考えているのは、さすがです。
ご主人:さらに、私のたっての希望でリビングに薪ストーブを入れました。その他、フローリングに無垢のウォールナットを採用したり、子ども部屋の壁を珪藻土にしたりなど、可能な限り天然素材を使うよう配慮しました。
薪ストーブは輻射熱で部屋全体を暖めるから、天井の高い吹き抜けの設計にぴったりです。床暖房なしでも十分暖かいのではないでしょうか?
ご主人:その通りです。冬でも素足で過ごせるのですよ。また以前の住まいでは、エアコンの風で喉と鼻がしょっちゅうやられていましたが、それが一切なくなりました。いつも空気が爽やかなせいか、花粉症の症状も出なくなりましたね。
吹き付け式ウレタン断熱材や24時間換気システムは、新築住宅並みの最新技術ですね。まさに「今のリフォーム」という感じです。
ご主人:「明るく暖かい家に」というリフォームの優先順位を最後までぶれさせなかったことが、成功の秘訣だと思っています。最新技術の設備の多くは高価でしたが、優先順位がはっきりしていたため、「やるのであればきっちりやってしまおう」と迷いは生じませんでしたね。おかげで最高の住み心地が実現しました。
今回のリフォームで私が何より素晴らしいと感じたのは、機能面と装飾面をダイナミックに融合させていること。技術を駆使して暗さと寒さを解消するとともに、開放感あふれる吹き抜けのリビングを作ったり、愛着の深いエントランスを残したりなど、美しいたたずまいもきちんと形にされています。そのバランスが本当にすばらしいです。
ワンポイントアドバイス
減築という発想も視野に入れながら、本当に必要なものを見極めて
Y様のご両親が2世帯同居にあたってご夫婦のために増築なさったのは、愛情があったからこそ。けれどそれが結果的に動線を崩してしまい、暗さと寒さの原因にもなっていました。今回のリフォームでY様が実施した「減築」は、生活動線を短くすることで暮らしが楽になったり、掃除の手間が省けたり、光熱費を減らせるなど、さまざまなメリットがあります。現在の不満を解消して理想の暮らしを実現するには、増築というプラスの発想ではなく、減築というマイナスの発想が助けになるかもしれませんよ。
プロフィール
Y様(京都府)
ご夫婦が結婚された17年前、ご自宅を2世帯住宅に増築。そして4年前、ご家族4人の暮らしに合わせてリフォーム。暗くて寒いという悩みを最新技術で解決し、念願の「明るくて暖かい家」を実現しました。
江口恵津子氏(株式会社ヴェルディッシモ)
建築デザイナー、インテリアコーディネーター。専業主婦を経てリフォームの世界に入る。「大改造!!劇的ビフォーアフター」(テレビ朝日)など出演多数。著書に『わが家のスローリード・リフォーム』(PHP)がある。
リフォーム情報
家族構成 | 夫+妻+息子+娘 | 面積 | 243m²⇒243m² | 形態 | 戸建住宅 | 日数 | 172日 |
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築年数 | 80年 | 費用 | 4,152万円 | ||||
採用商品 | TOTO:キッチン「クラッソ」/浴室「サザナ」/洗面所「ラウンドシリーズ」 YKK AP:窓「APW330」「APW331」「プラマードU」 |
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担当店 |
株式会社ハウスドゥ
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