(記事中の写真について、A:提供/ハクアーキテクツスタジオ、B:提供/空間社、特記以外/すべてTDY)
昨今人気を集めているのが「ホテルライク」なインテリア。毎日を過ごすわが家を、特別な場所にしてくれます。その魅力と、ホテルライクな空間をかなえるヒントについて、心地よい住まいづくりに定評のあるプロ2組にうかがいました。
プロフィール
株式会社ハクアーキテクツスタジオ
後藤 典子(ごとう のりこ)さん
関 正信(せき まさのぶ)さん
株式会社空間社
代表取締役
宮本 泰則(みやもと やすのり)さん
「ホテルライク」な住まい
とは?
ひと口に「ホテルライク」なインテリアと言っても、明確なルールがあるわけではありません。どのようなスタイルを指すのか、また、その魅力はどこにあるのかを紐解きます。
「目に入る情報量」をそぎ落とし
非日常感やラグジュアリー感を演出
昨今、リフォームのプランニングの際に「ホテルライク」なインテリアを希望する人が目立ちます。日常生活を送る住まいに、旅先や雑誌などで見て気に入ったホテルのエッセンスを取り入れたいと考える人が増えているようです。
とはいえ、「ホテルライク」に明確な定義はありません。非日常感があり、気分が高揚するような空間をイメージしているケースが少なくないよう。感覚的、視覚的に、上質で洗練されていることも共通点と言えるでしょう。
お話をうかがったハクアーキテクツスタジオはリフォームを手掛けた住まいのお施主様から、「ホテルで過ごしているみたい」「(帰宅すると)ホテルに帰ってきた気分」という感想をもらうことがあるとか。
「ホテルといえば、生活感のない非日常の空間で心身ともにリフレッシュできるイメージがありますよね」(ハクアーキテクツスタジオ)。
そのような雰囲気をつくるには、「空間の情報量を減らすこと」が大きなポイントだとか。
空間を構成している色や線の数を減らしたり、生活感を感じさせる雑多なものを視界に入りにくくしたりして、部屋をすっきりまとめることが大切です。
リラックス感を生む
"ゆとり"や"余白"を演出する
空間社の宮本さんはプランニングの際、ホテルライクな空間を含め、「リラックスできること」を重視しているとか。どんなことをしているときにリラックスできるかを尋ね、それをプランに反映させています。
リラックス感を演出するための大切な要素に、"ゆとり"や"余白"があると言います。リフォームでやりたいことをすべて盛り込むと、要素が多くなりすぎてしまう恐れがあるので、バランスを見ながら "引き算"をしていくそう。
「お施主様に『自宅がいちばんくつろげるので、ホテルに泊まる機会が減った』とうかがうとうれしいですね」(空間社 宮本さん)。
ホテルライクなリビングを実現するには?
家族がくつろぐリビングは、ホテルの上質で居心地のいい客室のようにリラックスして過ごせる場所にしたいもの。ここでは、リビングをホテルライクにするヒントをご紹介します。
【ポイント1】
素材感を重視して部材を吟味。
色のトーンはそろえて統一感を
リビングをホテルライクにするには、大きな面積を占める床や壁などの素材選びが大切です。風合いのある、木や石などの自然素材を取り入れるのがおすすめだそう。木や石などの上質で多種多様な素材と、統一感のあるディテールは、非日常的な心地よさを感じられる大切な要素。空間のイメージに合わせて素材を選ぶとよいでしょう。
「使う色調を厳選して、空間全体のトーンをそろえることも重要。好みの色や雰囲気から導き出されるその人ならではの感性を丁寧に落とし込むことで、唯一無二の特別な空間になると思います」(ハクアーキテクツスタジオ)。
【ポイント2】
造り付けの壁面収納が◎。
生活感を抑え、空間を整える
ホテルのようなすっきりした空間にするなら、生活感を抑える工夫をしたいもの。そのため、扉付きの壁面収納を適所に造り付け、生活雑貨などは"隠す収納"にします。壁面収納は空間の凹凸が抑えられ、置き家具よりもインテリアに統一感が出るので、端正な雰囲気をつくりやすい効果も。
LDKのキッチン付近には、食品や大型の調理道具などをしまうパントリーなどの大型収納を設けると便利。扉付きにするか入口をリビングから見えにくい位置にすることで、使い勝手を損なうことなく、生活感を抑えられます。
「(住まいでの)ホテルライクな空間はメリハリも大事。何でも隠すやり方のほか、コレクションしている洋食器などを少しだけ"見せる収納"にするのもいいですね。見せたいものをきちんと見せ、それ以外を隠します」(ハクアーキテクツスタジオ)
その場合、見せるものの数や並べ方を吟味して、美しくディスプレイしましょう。
【ポイント3】
間接照明を取り入れて
陰影のある落ち着く場所に
照明もホテルライクな空間づくりに欠かせない要素です。リビングは毎日の生活空間でもあるため、必要な明るさを確保しつつも、"明るくしすぎない"ことが大事。間接照明で部屋に陰影をつくり、落ち着く雰囲気にすることを意識します。
「折り上げ天井と間接照明を組み合わせるのもひとつのやり方です。天井はできる限りフラットに、ダウンライトは最小限にして、美しい陰影をつくります」(ハクアーキテクツスタジオ)。
【ポイント4】
テレビは壁付けにして
空間をよりすっきりと
薄型テレビを壁掛けにすることも、ホテルライクな演出につながります。存在感が大きいテレビ台が不要になり、周辺機器や配線を壁に収めることができるため、リビングの生活感を抑えやすくなります。
「テレビの場所によってソファなどの家具のレイアウトが決まります。キッチンで作業しながらテレビを観たいなど、設置する場所や高さは生活に合わせて慎重に決めたいですね」(空間社 宮本さん)。
【ポイント5】
窓から景色を取り込んで
フォーカルポイントに
窓からの景観はホテルステイの楽しみのひとつ。自宅でも窓から借景などを取り込めると毎日の暮らしが豊かになります。景色を額縁のように切り取る"ピクチャーウィンドウ"を設けられると、フォーカルポイント(パッと目が行く場所)に。
「マンションでも、眺めのいい窓の手前にベンチシートを設けるなど、設計の工夫で既存の窓をより印象的にすることは可能です」(ハクアーキテクツスタジオ)。
【ポイント6】
ニッチなどの
ゆとりのスペースを設ける
前述のフォーカルポイントは、窓だけでなくニッチや飾り棚を設けることでも実現可能。リビングはもちろん、玄関ホールや廊下などにも取り入れることができ、ホテルのようなゆとりが感じられるスペースになります。
「視線のコントロールは、非日常の演出や住まいにストーリー性を持たせることにもつながります。それを意識的におこなっているのがホテル空間ですが、ニッチなどは一般の住宅でも取り入れやすい設えです」(ハクアーキテクツスタジオ)。
洗面所と浴室をホテルライクにするには?
住まいの中でも、ホテルならではのラグジュアリー感を取り入れやすいのが水まわりです。スペースが限定されているので、トライしやすいのでは。ここからは、ホテルのように"気分が上がる"水まわりづくりのコツを紹介します。
【ポイント1】
ガラスを使って
開放感を生み出す
ドアや間仕切り壁にガラスを使った洗面所や浴室。開放感があり、高級感のある素材や、間接照明なども相まって、多くの人が「ホテルライク」と感じるプランのひとつです。
「洗面所と浴室のデザインに統一性を持たせ、双方の間をガラスにするなどして視覚的につなげると(広がりが感じられ)より素敵に仕上がります」(空間社 宮本さん)。
ガラスには白いカルキ汚れがつきがちなので、入浴後に乾拭きするなどのひと手間も。清掃性も事前に確認しておくとよいでしょう。
【ポイント2】
デザイン性の高い
水まわりアクセサリーを加える
「洗面台まわりに用いるアクセサリー類も、ホテルライクな水まわりづくりの"キモ"」と話すのは空間社の宮本さん。
たとえば、デザイン性の高い鏡は、手軽にホテルのパウダールームのようなイメージを演出できるアイテムです。畳んだバスタオルやバスローブなどを置いておくタオル棚や、暖房を兼ねたタオルウォーマーもホテルらしさを添えてくれます。
ハクアーキテクツスタジオでは、最近ダブルボウルの洗面台をリクエストされることが多いとか。ラグジュアリーなホテルではよく見かけるダブルボウル。洗面台がワイドになり、大型の鏡も採用できて、リッチな雰囲気やゆとりを味わえます。
「夫婦それぞれが専用の場所で身支度できます。収納スペースも、夫婦が左右で分けて使えます」。
【ポイント3】
"キラキラ感"や
硬質素材を生かす
「ホテルライクな水まわりは"キラキラ感"がありますよね(笑)」というのはハクアーキテクツ。内装の素材やアクセサリー類は、大理石やタイル、ステンレス、ガラスといった光沢感のあるものを使うとラグジュアリーホテルのようなイメージに。木質系を組み合わせることによって、雰囲気のある高級旅館のような水まわりをつくることができます。
空間社の宮本さんは、特にタイルについて、「洗面所の意匠性を高めるのに使いやすい部材」といいます。「タイルが張り終わった状態をイメージするのは難しいですよね。希望を汲み取って提案するのは僕たちプロの役割です。実現したいイメージを遠慮なく伝えてほしいと思います」。
寝室をホテルライクにする
には?
ホテルの客室とイメージが重なりやすい寝室。ここでは、リフォームでホテルならではの"特別感"をつくるコツをうかがいました。
【ポイント1】
大型クローゼットが強い味方
生活用品はすべてしまう
ホテルのような寝室をつくるなら、「ものが少ない空間」をめざすことが何よりも大事。ベッド以外の家具はサイドテーブルやラウンジチェアなどにしぼり、収納には、クローゼットなどの造り付け収納を設けましょう。
生活感を感じさせる雑多なものは、「隠す収納」でシャットアウト。心と体が休まるように、モノを整理整頓しやすく出しっぱなしを防ぎやすい収納の設計や工夫が大切です。
【ポイント2】
ベッドヘッドボードを設けて
上質感を演出
ラグジュアリーなホテルで見かける、造作によるベッドヘッドボード。インテリアのポイントになり、寝室の上質感やリラックス感を高められるアイテムです。サイドテーブルや照明、コンセントなどを備えた、実用的なつくりにすることも可能。
「予算を抑えたい場合は、ボードをつくらず、ベッドヘッド側の壁を印象的なアクセントクロスで仕上げる方法も。休息する部屋ですから、落ち着いた色柄がおすすめです」(ハクアーキテクツスタジオ)。
【ポイント3】
眠りを妨げない
やわらかい照明を取り入れる
寝室では日々安らかに眠りにつけるよう、ホテルと同様、リラックスできる空間にすることを心がけましょう。そのためには照明も一役買ってくれます。ハクアーキテクツでは間接照明や、光源が直接目に入りにくいグレアレスのダウンライトを採用することが多いとか。
空間社の宮本さんも、「光源が目に入らない間接照明は、寝室をやわらかい雰囲気にできるのが魅力。その非日常な雰囲気が、日常になるのがいいと思います」と話します。
天井の大きな照明ひとつで部屋全体を照らすのではなく、枕元、足元、部屋のコーナーなどに分散させた多灯照明がホテルの照明の基本。照明計画の際には、スタンドランプやフロアランプといった後付けできる照明器具も含めて検討するのが理想的です。
【ポイント4】
あえてLDKに隣接させ、
スイートルーム風に
寝室をあえてLDKのすぐ隣に設けて、引き戸などで間仕切りできるようにすると、ホテルのスイートルームのような空間に。リビングからベッドが目に入る間取りは、それだけでホテルライク感が満点です。間仕切り戸は冷暖房効率アップにも貢献。透明な扉材は開放感を演出できます。
「生活時間帯の異なる家族がいるとむずかしい間取りなので、単身のかたやDINKSカップル、子どもが巣立って夫婦ふたり暮らしに戻ったかたなどは取り入れやすいかもしれませんね」(空間社 宮本さん)。
住まい全体をホテルライクに
まとめた
2つの事例をご紹介
ケーススタディ1
視線の行く先が計算された
ドラマチックな上質空間
眺望のよさや視線の抜けを大切にしてプランニングされたリフォーム事例。天然石やガラスなどの硬質素材を生かし、間接照明も多用。マンションとは思えない開放的で上質感ある空間を実現しました。(A、撮影/鳥村鋼一写真事務所)
ケーススタディ2
空間と一体化した造作収納で
ノイズレスな「余白」を感じる住まいに
子どもの誕生を機に、中古マンションを購入してリフォームに取り組んだWさん宅。インテリアのテーマは「余白のある住まい」。これからの暮らしに広がりを与えてくれるような住まいをめざしました。収納を空間と一体化させ余白を感じさせるインテリアが、ホテルライクに通じます。(B)
上質感があり、非日常感を楽しめ、リラックスできる......など、ホテルライクな空間には魅力がいっぱい。とはいえ、ヨーロッパのクラシカルなホテルやカジュアルなビーチリゾートのホテル、都会のエッジの効いたホテルなど、皆さんのイメージは千差万別なのではないでしょうか。
リフォームでホテルライクな住まいを実現したい人は、まず実際のホテルの画像やリフォーム事例にたくさん目を通してみることがおすすめ。自分が希望する「ホテルライク」のイメージを固めることからスタートしてみませんか? 住宅会社やリフォーム会社とのプランの打ち合わせも一層楽しくなるはずです。
TDYのコラボレーションショールームでは、TOTOの水まわり商品、DAIKENの内装建材、YKK APの窓など、居心地よく上質な空間をつくる商品をご覧いただけます。 またTOTO、DAIKEN、YKK APがご提案している「十人十家(じゅうにんといえ)」でも、それらの商品を取り入れたさまざまなテーマのリフォーム空間をご覧いただけますので、ぜひご活用ください。
ホテルライクな空間をつくるための
商品のご紹介
木、石などの美しい質感を生かした建材、空間の開放感を活かしながら仕切る間仕切戸など
暮らしに非日常感を演出するアイテムを選びました。
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TOTO エスクア
ライフスタイルや好みにあわせてセミオーダー感覚で自分らしくカスタマイズ。機能性を兼ね備えた贅沢な洗面空間を実現します。
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TOTO 戸建て住宅向けシステムバスルーム
シンラ「上質で心休まる穏やかな時間をすごす」リラックスを追求した先進機能を堪能できるバスルームです。
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DAIKEN グラビオエッジ
深彫り調のエンボス加工でエッジの効いた陰影と素材感のある意匠が魅力の装飾不燃壁材。壁面にアクセントを加えて、お部屋を個性的に演出します。
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DAIKEN イエリアフロア セレクト 石目柄(鏡面調)<チェッポグレー柄>
美しい鏡面調仕上げの最高級グレードの床材。リビングをモダンに演出し、思わず自慢したくなる床材です。
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DAIKEN ラインフレーム
スリムなフレームにシックな黒が映えるスタイリッシュな間仕切戸。プラスαの暮らしが楽しめます。
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YKK AP APW 331
ハイブリッドスライディング障子に樹脂、枠にアルミ樹脂複合を採用。異なる2つの材質を組み合わせたハイブリッド構造の大開口樹脂窓です。
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YKK AP リウッドデッキ S EG/S
リウッド(再生材)を使用したデッキ材。天然木に近い感触を持ちながら、ささくれがなく、お手入れが簡単で美しさが長持ち。心地よい庭まわり空間が生まれます。
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TDY リフォーム相談窓口のご案内
(TOTO・DAIKEN・YKK AP)リフォーム業者の選び方は?商品について詳しく聞きたい!そんなお悩みにお答えします。
※この記事内容は、2026年10月28日時点での情報です。ご了承ください。
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