(写真、図版/すべてTDY)
「実現したいライフスタイルは人それぞれ。10人いれば10通りの暮らしがある」。
そんな思いから、TOTO、DAIKEN、YKK APでは、リモデルのライフスタイル提案「十人十家」を発信しています。
このプランをまとめたカタログ「TDYリモデルコレクションブック」が2024年も新たなプランを加えてリニューアルしました。
「TDYリフォームナビ」では掲載プランについて、担当したデザイナーに見どころをインタビュー。
前編では「健康」「家事・育児」に関する空間提案についてポイントをご紹介します。
プロフィール
TOTO 販売統括本部
TDYアライアンス企画グループ/
担当部長
日浅 雅見(ひあさ まさみ)さん
TOTO デザイン本部
デザイン第一部 第一デザイングループ デザイナー
矢部 信弘(やべ のぶひろ)さん
DAIKEN マーケティング部
デザイン課 デザイナー
内海 春佳(うつみ はるか)さん
YKK AP 商品開発本部
デザインセンター
デザイン情報室
プロモーションチーム
田中 英興(たなか ひでおき)さん
※TDY3社から上記の方に依頼をし、頂いたコメントを編集して掲載しています。
新たなプランを加えて10のテーマを
スケッチとCGで紹介
新しくなった「TDYリモデルコレクションブック」(以下、コレクションブック)の内容について、テーマの設定や変更点をお聞きしました。私たちの求める「いま」と「これから」の暮らしのためのリモデルとはどんなものなのか。そのヒントが盛り込まれているようです。
1.多様なライフスタイルを
反映したテーマごとのプランをご紹介
「十人十家」では私たちのライフスタイルの多様化を反映して、「食を楽しむ」「自然を感じる」「時間をつくる」「子育てを楽しむ」「ペットと暮らす」「みんなが集まる」「使いやすさにこだわる」「健康にすごす」「ゆったりくつろぐ」「趣味を満喫する」という10のテーマを設定。それぞれのテーマにマッチしたリモデルプランをご紹介しています。
今回は9つのプランを新しく加え、全42点のリモデル提案がそろいました。「TDYリフォーム情報サイト」の十人十家にはすべてのプランが掲載されています。
この「十人十家」のエッセンスをわかりやすくまとめたのが「TDYリモデルコレクションブック」です。プランを「毎日を健やかに過ごす」「家事・子育てをサポートする」「家族や友人と過ごす時間を充実させる」「アウトドアリビングを楽しむ」という4つのパートに大別して、求めるプランにたどりつきやすいようにまとめています。
2.リアルなCGとラフなスケッチで
プランのイメージを伝える
最大の特長はリアルなCG画像と手描きのタッチのスケッチという、対照的なビジュアルでプランのイメージを伝えていることです。
「前号をご覧になった方にお聞きしたところ、ラフなスケッチのプランでは"自分の家ならば"と想像力が刺激され、一方の高精細なCGのプランではより具体的な生活空間のイメージがつかめたという意見が多く聞かれました。両方あるとプランをより具体的に把握しやすくなるということで、今回も踏襲しています」(TOTOの日浅さん)。
こうした方針をもとに、4つのパートそれぞれに振り分けられたプランには、リモデル後の空間のCG画像、イメージを伝えるスケッチなどが添えられました。そのほか、BeforeとAfterの図面にはリモデルのポイントが明示され、使用している建材、設備などの商品も紹介されています。実際のリモデルの際に大いに参考になりそうです。
3.家族の距離感をほどよく保つ間取り提案
今回新しく加わったのは、「バルコニーで朝食を」「中庭を囲む家」「光と風のめぐる家」「自然満喫!リゾートテラス」「笑顔が増える KAIDAN MAGIC」「和でおもてなし」「快眠へのいざない」「ライブラリーハウス(ヌックのある家)」「我が家流ガレージライフ」という9つのプラン。いずれも想像力が刺激されるタイトルです。
「今回、新しいプランを考案するにあたって私たちが意識していたのは、世代によってお互いの距離の取り方が違うのではないか、ということでした。20~30代の若い世代では、いかに家族との接点を増やして距離を近づけていくか、ということを重視する傾向にあります。一方、シニア世代のような大人だけの世帯では、お互いの生活のペースを尊重して、つながりを持ちながらもほどよく距離をとることを好まれる場合があります。どんな人が暮らすのか、その想定を大切にしながらプランニングに取り組みました」(YKK APの田中さん)。
スマートフォンの普及や、オンライン通話、SNSの発達、またコロナ禍などを経て、私たちのコミュニケーションのスタイルは大きく変化を遂げています。社会の移り変わりを反映した家族構成の多様化も含め、令和の時代の家族の在り方や自宅での過ごし方も考慮したプランになっているようです。
アイデア|動線や調光・遮光の工夫で
健やかな眠りに導く
コレクションブックのパート1では「毎日を健やかに過ごすリモデルのアイデア」が紹介されています。質のよい睡眠をとるための間取りの工夫や設備、建材など、TDYならではの提案もたくさん。その一部を解説してもらいました。
【ポイント】
満足できる睡眠のため、光・音・温度を大切に
睡眠は、私たちの人生の3 分の1もの時間を占めるといわれています。質のよい睡眠をしっかりとることで、人生残りの3分の2を心身ともに快調に過ごせるようになるはず。
「しかし、ある調査によれば、9割以上の方が睡眠に満足していないのだそうです。では、どうしたら満足できるのか。有識者に意見を聞いたり、私たちでも研究・調査を重ねたりして、プランに反映させていきました」(YKK APの田中さん)。
ポイントとなるのは以下の4点だそうです。
①光を遮り、視覚からリラックスを
光は睡眠の質を左右するのでシャッターやカーテンで光量をコントロール。好みのインテリアや間接照明の柔らかい光などで、より美しく心地よい空間に。
②睡眠を妨げない静かな空間
壁や床の断熱性を高めると、自然と遮音性も高まります。シャッターや防音ドア、内窓を採用するのも効果的。
③快適な温度をキープする
内窓や断熱性の高い樹脂窓を選んで、四季を通じて「頭寒足熱」を実現。
④お風呂に入って眠りの準備を整える
就寝前の入浴は質のよい睡眠につながります。40℃前後の湯浴は精神的なリラックス効果があり、また入浴後の放熱が、寝ついて90分前後の深い睡眠を増加させます。
Plan1-1
光や音をコントロールして静かに休める環境に
この4つのポイントを反映させたのが「快眠へのいざない」と題されたプランです。
40代と50代の夫婦が郊外の中古住宅を購入したという設定。「これからは健康的でくつろいだ暮らしをしていきたい」と考え、日々の疲れを癒す「心地よい眠り」を実現することを目指しています。
「まずお風呂に入ってゆっくりリラックスしてもらいたい。そして寝室は広めに確保して落ち着いた環境にしたい。お風呂やトイレは寝室に近いほうがいい。そのように考えながら間取りを構成していきました」(YKK APの田中さん)。
もともとは、和室の続き間と広縁がある住宅でした。リモデルでは、寝室は東に配置して、大きな窓から朝日を取り入れて気持よく目覚められるように計画しています。質の良い眠りと目覚めのため、採光・調光・遮光を配慮。通風・採光ができるスリットシャッター、調光器付き照明などを取り入れました。
寝室と浴室・洗面所は隣接させて、夜間の行き来もスムーズに。寝室の窓付近にはデッキや植栽も設けて、まるでリゾートホテルのような空間に仕上げています。
浴室にも通じる洗面所の出入口には、音漏れを軽減できる「ハピア 音配慮ドア」(DAIKEN)を採用。夜中も音を気にせずに洗面所や浴室を使えます。寝室には吸音効果のある天井材「クリアトーン12SⅡ」(DAIKEN)を入れて静かな環境に仕上げました。
Plan1-2
照明の効果や肌のお手入れでリラックス
落ち着いて休める環境をつくるにはインテリアも重要です。「コントラストが強くない、穏やかな色調になるように意識してコーディネートしました。ベージュやグレーをメインカラーに置き、温かみを感じられる木目柄を組み合わせています」(DAIKENの内海さん)。
夜間、空間の雰囲気を左右する照明も大事なポイント。このプランでは、間接照明を用いて柔らかい光にしたり、天井の照明もベッドに横になったときにまぶしくない位置に計画されています。
システムバスルーム「シンラ」、洗面化粧台「エスクア」(ともにTOTO)も照明の効果を配慮した商品です。「シンラでは調光・調色で癒しや居心地のよさ、ゆとりをもたらし、エスクアではスキンケアなどがしやすいよう、カウンターにゆとりを持たせています。お風呂上がりにゆっくりお肌の手入れなどをしてリラックスしてからベッドに入っていただきたいですね」(TOTOの矢部さん)。
五感のすべてにやさしく働きかける空間づくり。日々の疲れが癒される住まいになりそうです。
アイデア|リビング階段がつなぐ家族のコミュニケーション
パート2は「家事・子育てをサポートするリモデルのアイデア」。リビング及びキッチンの配置や動線の計画などによっても、家族の距離感は変わってきます。家事や子育てを自然とサポートしてくれるようなリモデルのプランをご紹介します。
【ポイント】
リビングと階段を一体化させて大空間に
家族の関係を良好にするにはコミュニケーションが何より大事。そこで、家族が暮らしの中で自然と顔を合わせるような、リビング階段が人気です。
子ども部屋や寝室などのプライベートルームと、リビング、ダイニングのようなパブリックスペースとが大きく離れてしまうと、お互いに何をしているのか、気配さえも伝わってきません。しかし、上下階をつなぐ階段がオープンにリビングと一体化していれば、お互いが行き来するたびに視線が合い、声もかけやすくなります。
リモデルの際にリビング階段をつくるときには以下の4点がポイントになります。
①暑さ・寒さ対策を考える
開放的な分、冷暖房の効きも課題に。断熱窓への変更や壁・天井・床の断熱改修といった、部屋の断熱性の強化も視野に入れて。
②見えない生活音と臭いにも注意
1階と2階の空間がつながると、生活音や話し声も2階まで昇っていくことに。通気のための窓の位置にも配慮を。
③スケルトン階段と組み合わせる
吹き抜けのあるリビングで1階と2階の光と風を効率的に循環させるには、スケルトン階段との組み合わせがおすすめ。空間を視覚的に圧迫しにくいというメリットも。
④照明の工夫で大空間を明るく
吹き抜け全体を照らす照明には、インパクトのあるペンダントライトがおすすめ。光が届きにくい壁側には、ダウンライトや間接照明の併用も。
Plan2-1
吹き抜けを通じて上下階にゆるやかなつながりを生み出す
リビング階段を取り入れたのが「笑顔が増える KAIDAN MAGIC」というプラン。築25年の戸建て住宅のリモデル例です。子ども部屋のある2 階への階段をリビング内に設け、さらに吹き抜けにすることで明るく開放的な団らんスペースを生み出しました。
「階段と吹き抜けによって家族のコミュニケーションを確保するというのがこのプランのねらい。階段をリビングに取り込むと家族が顔を合わせる機会が増えます。また、吹き抜けによって上下階で視線が行き交い、心理的なつながりも生まれます」(YKK APの田中さん)。
「キッチンに立ったとき、吹き抜けを介して2階の家族と視線が合うか、声が届きやすいか、ということも考慮して、キッチンの配置や向きを検討しました」(TOTOの矢部さん)。
空間をつなげるだけでなく、家族の動きやお気に入りの場所などの位置関係もプランに落とし込むことが必要であるようです。
Plan2-2
断熱改修や吸音・消臭機能の建材によってリビング階段を快適に
リビング階段や吹き抜けの注意点としてよく言われるのが、冷暖房の効率が悪くなるとことと、1階の音やにおいが2階に伝わってしまうこと。
「ある程度は仕方ないものの、吸音や消臭などの機能性を持つ天井材を使うと、音の響きやにおいの問題は軽減することができます。また断熱改修をすると室内の寒暖差は小さくなるので、冷暖房の効率も改善されますよ」(DAIKENの内海さん)。
2階の吹き抜けに面した部屋には、室内窓を設置。室内窓を閉めればリビング空間は効率的に冷暖房でき、2階の部屋は階下からのにおいや音を軽減できます。一方で、この室内窓を通じ、屋外からの光や風をリビング空間まで取り込むことが可能に。
リビング階段や吹き抜けのメリットを生かすためにも、こうした冷暖房、音、においの対策も忘れずに施しておきたいもの。より快適な住まいが実現します。
後編では、「家族や友人と過ごす時間を充実させる」「アウトドアリビングを楽しむ」をテーマにしたリモデルのアイデアをご紹介します。
東京・名古屋・大阪・福岡の4か所のTDYコラボレーションショールームでは、十人十家のプランの一部を再現し、体感できる空間展示「十人十家 くらしのヒント発見空間」を設置。あこがれの暮らしをイメージするきっかけとしてご活用ください。
TDYのコラボレーションショールームでは、TOTOの水まわり商品、DAIKENの建材、YKK APのエクステリア商品など、健康および家事や子育てをサポートする住まいづくりに役立つ商品をご覧いただけます。 またTOTO、DAIKEN、YKK APがご提案している「十人十家(じゅうにんといえ)」でも、それらの商品を取り入れたさまざまなリフォーム空間をご覧いただけますので、ぜひご活用ください。
「毎日を健やかに過ごす」
「家事・子育てをサポートする」
商品のご紹介
健やかに暮らし、家事・子育てを楽しくこなすためには、機能性はもちろん、心癒される自然の風合いを生かした商品も住まいに取り入れたいもの。
TDYの幅広いラインナップには、どちらの要素を持つ商品もそろっています。
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TOTO システムキッチン
ザ・クラッソ上質なクリスタルカウンターが輝き、暮らしに美しく調和。多彩な先進機能も兼ね備えた、心ときめくキッチンです。
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TOTO 戸建て住宅向けシステムバスルーム
シンラ「上質で心休まる穏やかな時間をすごす」リラックスを追求した先進機能を堪能できるバスルームです。
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TOTO エスクア
セミオーダー感覚で一人ひとりのこだわりにカスタマイズ。毎日をより上質な時間へとエスコートします。
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DAIKEN ハピア音配慮ドア
居室タイプ 片開き上下調整式『エアタイト』により、室外に漏れる生活音に配慮したドアです。一般リビングドアに比べ音漏れを約半分に軽減することができます。
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DAIKEN ここち和座
置き敷きタイプ 彩園 煌フローリングの上に置くだけで寛ぎのスペースを簡単につくれます。自由なレイアウトで個性的なインテリアを演出してくれます。
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DAIKEN フォレスナチュラルII 2P
銘木にこだわった天然木化粧床材。木質感が際立つ人気の艶消し仕上げにしています。銘木の美しさと天然木の自然な風合いをお楽しみいただけます。
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YKK AP famitto(ファミット)
室内窓隣り合う空間を完全に区切るのではなく、室内窓でゆるやかに間仕切り。光や風、家族の気配を感じられる多様な空間をつくり出します。
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YKK AP APW330/331
空間に開放感と上質な表情を与えるガラスタイプ。質感を引き立てるシンプルなデザインやすりガラス調など、多彩な空間演出が可能な6種のガラスをご用意しています。
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YKK AP リウッドデッキ 200
リウッド(再生材)を使用したデッキ材。天然木に近い感触を持ちながら、ささくれがなく、お手入れが簡単で美しさが長持ち。心地よい庭まわり空間が生まれます。
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YKK AP ルシアス フェンス
住まいの魅力を最大限に引き立てる上質で美しいデザイン。洋風から和風、モダンからクラシックまで幅広い住宅におすすめのデザインです。
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TDY オンラインリフォーム
相談センターご自宅にいながら、お持ちのスマホ・パソコン・タブレットで、簡単にリフォームについてご相談いただけます。
※この記事内容は、2024年9月17日時点での情報です。ご了承ください。
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