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庭と外周りをリフォームして、日々の暮らしにもっと潤いと安らぎを!

第43回 庭と外周りをリフォームして、日々の暮らしにもっと潤いと安らぎを!

新築時にはどうしても建物の設計と施工に力を注ぎがち。
でも、暮らし始めてみると、庭やカーポートなど外周りも大事であることに気づきます。
「庭をもっと楽しみたい」「もっと素敵なアプローチにしたい」。
そのような声に応えているのが、エクステリアの専門会社グランドワークスの平松 利之さんです。
家の外周りを、暮らしに潤いと安らぎを与えてくれるような場所に
リフォームにするポイントについてうかがいました。

プロフィール

一般社団法人 高齢者住宅協会  企画部長 永野 浩子(ながの ひろこ)

株式会社グランドワークス 代表取締役社長
平松 利之(ひらまつ としゆき)さん

「住まう方に喜びと感動を、そして誇りを」という思いをモットーに企業理念でもある「社員・お客様・取引先様と喜びと感動を共有できるか」を社内の判断基準として、創業以来エンドユーザー目線を大事に、顧客満足を追求している。
ホームページALL GREEN https://all-green.biz/

ライフスタイルの変化に合わせて
エクステリアもリフォーム

エクステリアのリフォームでは、どのようなことができるのでしょうか? エクステリア初心者が最初にぶつかる疑問について、平松さんに回答いただきました。

「外周りが変われば、人生も変わる」

2020年以降のコロナ禍の最中でも平松さんの会社は「忙しかった」といいます。

「外食や旅行といった娯楽が制限されていましたからね。その代わりに、これまで手を付けてこなかった庭や玄関周りといった、身近なエクステリアをなんとかしたいと思われる方が多かったように思います」と平松さん(以下、発言は平松さん)。

「"家庭"という言葉は、"家"と"庭"でできています。本来、住環境を考える上では、建築と外構は両輪であるべきですが、従来の住宅業界では、家そのものに予算と情熱を割いてしまっていて、外構は後回しになりがちでした。

だから、逆に言えば、ここをリフォームすることで、暮らしはもっともっと楽しく快適なものになるはずです」。
※門や塀、生け垣、ガレージやカーポートなど家の外に置いたり、設置したりするものの総称

門扉やデッキなどの外構は風雨にさらされ、紫外線を浴びて、劣化が徐々に進んでいきます。植栽がうっそうと茂ってしまうようなこともあるでしょう。

「そのような外構や植栽をケアするだけはもったいない。玄関、勝手口からカーポートまでの動線を歩きやすくすれば外出がスムーズになりますし、門扉や玄関までのアプローチなどが素敵になれば、お友達を家に呼びたくなります。エクステリアのリフォームには、人生を変えるほどの効果があるんですよ」。

エクステリアは
「ファサード」、「庭」、「バルコニー」
に分けて考える

平松さんはエクステリア工事を、「ファサード」、「庭」、「バルコニー」の3分野に大別して考えています。「ファサード」とは家の正面のこと。前面道路から見える範囲の門扉や塀、アプローチ、カーポートなどが含まれます。

「庭」は、ファサードに含まれない建物以外の部分。植栽、隣家との間に立てるフェンスや塀、足元の舗装や芝生、家から続くウッドデッキなどが主な工事の対象に。

「バルコニー」は、2階などの建物から続く屋外部分。これまで洗濯物や布団を干していた場所を活用して、アウトドアリビングとして使えるようにするリフォームを希望する人が多いそうです。

「新築時は流行していたデザインでも、年数が経つと変えたりしたくなることもあるはず。暮らしているうちに庭やアプローチの不便な点に気付いたり、家族構成やライフスタイルの変化で駐車場が不足することもあります。 そうした変化に応じて、エクステリアも変えていくのは自然なことだと思います」。

エクステリアリフォームの
進め方

エクステリアのリフォームはどのような手順で進めていけばよいのでしょうか。平松さんのお店で実施している手順をもとに、段階ごとのコツやポイントを解説いただきました。

段階ごとのチェックポイントや注意点を把握

POINT!

(1)問い合わせ

インターネットや口コミなどで、近隣のエクステリア業者を探します。ウェブサイトに掲載されている施工例のほか企業方針などもチェックして、関心を持った業者に問い合わせてみます。
「ひと口にエクステリア業者と言っても、植栽が得意なところ、もともとはブロック工事や金属製建具の工事会社だったところなどさまざま。どのような工事が向いている業者なのか、意識しながら探していくことをお勧めします」。

POINT!

(2)初回面談(ヒアリング)と現地調査

初回の業者との面談(ヒアリング)では、高さが記載された敷地図(現況図)、建物の配置図、平面図、立面図などを用意しましょう。

「これらの図面があれば、業者は家の様子が具体的に把握できるので、要望に対してより突っ込んだ内容をご提案してもらえます。その後の打ち合わせなどが、ぐんとスムーズに進みますよ」。

面談後、業者は現地調査を行います。業者は工事を予定している現地の状況を見て、要望が実現可能かどうかを確認します。
「1、2階から庭がどのように見えるか、家から庭、外周りの動線がどうなっているか。主に家と外構、また周辺環境との関わりもチェックしてくれます」。

POINT!

(3)図面と見積りの作成

ヒアリングの内容と現地調査の結果をもとに、リフォームプランの図面と見積書が約1〜2週間後にでき上ります。

なお、見積りを複数の会社に依頼する場合は、一般的に3社くらいまでが目安。比較対象があったほうが依頼先を選ぶ参考になりますが、多すぎるとかえって迷うことも。
「提案内容を見れば、相性や信頼感などを含め、見極めはだいたいつくと思います。早めに依頼先を決めて、信頼できる相手と一緒にプランをじっくり検討したほうが満足のいく結果になるはずです」。

POINT!

(4)契約

図面と見積りに納得したら、工程、支払条件などを確認した上で正式に工事の契約へ。
「契約に際して、当社では工程表は必ずお客様に提出します。また、自社の工事基準についてしっかりご説明しています。この2点が定まっていてこそ、納期までに質の良いエクステリアを、責任を持って提供することができるからです。この2点も、皆さんの依頼先選びの条件にすることをお勧めします」。

POINT!

(5)施工

一般的な外構工事であれば施工期間は2週間〜1か月程度ですが、天候にも左右されます。施工は、担当者がしっかりと現場の進捗を管理することが大切だそう。
「当社では工事専任のスタッフが管理を行います。現場の職人さんに任せきりにするようなことはありません」。

施工後は、植栽の手入れや外構材のメンテナンスなども必要です。法律では一般的な外構工事の保証期間は2年。「当社では保証期間の始まるタイミングなどもご説明しています」

成功例に見るエクステリアリフォームの要点

「ファサード」、「庭」、「バルコニー」に分けて、平松さんが手がけたエクステリアリフォームの事例を紹介いただきました。プランニングの参考にしてはいかがでしょうか。

「ファサード」は、家や近隣との調和がキーポイント

「ファサード」の成功例のひとつとして平松さんが挙げたのは、S邸。周囲の住宅の多くはしっかりと塀や門扉で囲い込んだスタイルが主流だったため、S邸でも同様のスタイルを採用しました。

「デザインの方向性や塀の高さ、素材、カラーリングなど、街並みに違和感のないプランになるように心がけています。単独で見れば素敵な仕上がりであっても、悪目立ちするのは避けたいもの」。

家と外構のバランスをとることも大前提です。
「家の外観がモダンならタイルや金属などの硬質でシャープな建材を、ナチュラル、カジュアルであれば木や石など自然な素材をイメージさせる建材を使って印象を揃えます」。

S邸では、2種類のタイルを貼り分けた意匠塀にし、一部は植栽とともに奥に凹ませて、変化をつけています。「ファサードは普通に塀を巡らせると平坦になりがちなので、奥行感や立体感にも留意しています」。

またファサードにはシンボルツリーをよく組み込むそう。「塀は水平方向に、木は垂直方向に伸びるのでバランスがいい。木があると、見た目の雰囲気も柔らかくなりますね」。

周辺環境を広く視野に入れ印象を整えることが、ファサードづくりのコツと言えそうです。

S邸のファサード。高級感ある2種類のタイルを貼り分けた意匠塀と門扉(YKK AP)に、ソヨゴとアオダモのシンボルツリーがバランスよく組み合わされています。
S邸のファサード。高級感ある2種類のタイルを貼り分けた意匠塀と門扉(YKK AP)に、ソヨゴとアオダモのシンボルツリーがバランスよく組み合わされています。
S邸は夜になると照明でまた違った雰囲気に。光によって石などの素材や植栽の陰影が浮かび上がります。
S邸は夜になると照明でまた違った雰囲気に。光によって石などの素材や植栽の陰影が浮かび上がります。

「庭」には、用途に応じて使いやすくする"仕掛け"を

「庭」で取り上げるM邸は、南欧風の建物に合わせてエクステリアを仕上げた好例です。新築時は砂利敷きだった庭に、門を付け、植栽して、通路にタイルを貼って仕上げていきました。ご夫婦がくつろぐための屋根を架けたあずまやもあります。
歩く場所と植栽の場所をしっかりわけたことで、動きやすい庭となりました。あずまやは広めなので、雨や日差しを心配せず、ゆっくりとお茶の時間を楽しめます。

「庭は当初から手入れを配慮してつくると、後の雑草対策がらくになります。通路を用意すること、ガーデニングの作業スペースや休む場所を確保すること、手入れしやすい樹種を選ぶこと、庭の隅々にまで目が届くように死角をつくらないことなどが大事です」。

南欧風の家に合わせて色みや素材、樹種を選び、庭を仕上げました。明るく開放的な雰囲気にまとまっています。
南欧風の家に合わせて色みや素材、樹種を選び、庭を仕上げました。明るく開放的な雰囲気にまとまっています。
庭の中を通るアプローチはタイル敷きに。「飛び石にする例もありますが、あれは意外と歩きにくい。通路はしっかり舗装することをお勧めします」。
庭の中を通るアプローチはタイル敷きに。「飛び石にする例もありますが、あれは意外と歩きにくい。通路はしっかり舗装することをお勧めします」。
ガーデニングの作業スペース兼休憩場所となるあずまやは約4.5畳半の広さ。敷地の周りに背の高い塀を巡らせて、人目を気にせずにくつろげるようにしています。
ガーデニングの作業スペース兼休憩場所となるあずまやは約4.5畳の広さ。敷地の周りに背の高い塀を巡らせて、人目を気にせずにくつろげるようにしています。
奥のあずまやを目隠しする門塀。逆に両サイドは緑がよく見えるように、シースルーにして開放感を演出。
奥のあずまやを目隠しする門塀。逆に両サイドは緑がよく見えるように、シースルーにして開放感を演出。

「バルコニー」には、座る場所と水場を

「バルコニー」の好例のひとつ、M邸。2階のバルコニーに耐水性の高いアウトドア用のソファやテーブルを置き、屋外用の流し台を設置。柱の回りを木材で囲って照明を仕込み、行燈のように仕立てました。
「まず、しっかり座れる場所を確保すること。あと、ちょっと手や食器を洗える流し台、洗面台などを設置すると、アウトドアリビングとして楽しみやすくなります」。

電源を用意して照明を灯せば、夜にはホームバーのような雰囲気に。ただし、お子さんがいる場合は、転落防止のため、手すり側には踏み台になるような家具やモノを置かないようにします。

M邸の広いバルコニーがリフォームでアウトドアリビングに一変。屋外なのでバーベキューも楽しめます。
M邸の広いバルコニーがリフォームでアウトドアリビングに一変。屋外なのでバーベキューも楽しめます。
日中は日差しや風を満喫できるオープンスペース。植栽のプランターで「庭」としての安らぎのイメージを演出しています。
M邸の広いバルコニーがリフォームでアウトドアリビングに一変。屋外なのでバーベキューも楽しめます。日中は日差しや風を満喫できるオープンスペース。植栽のプランターで「庭」としての安らぎのイメージを演出しています。

屋外空間を活用するためには収納も大事

エクステリアのリフォームを計画する上で、平松さんは、以下の5つをポイントに挙げました。

・日差しと雨を遮る
・外からの視線を避ける
・植物を配置する
・照明で夜も楽しめるようにする
・室内との段差をなるべく小さくする

「特に庭やバルコニーを活用するときに重要なポイントです。これを押さえれば、過ごしやすい場所に。当社ではよく"リビングを外に持ち出す"などと言っています(笑)」。

庭やバルコニーをそれだけで考えるのではなく、建物や日々の暮らしとセットで考える。ファサードも自分の家だけでなく、周囲との連続性を配慮する。一歩引いて、環境そのものを整えようとするのが、平松さんのエクステリアリフォームの流儀であるようです。

YKK APのエクステリア商品など、外構のリフォームに活用できる商品をご覧いただけます。
またTOTO、DAIKEN、YKK APがご提案している「十人十家(じゅうにんといえ)」でも、それらの商品を取り入れたさまざまなリフォーム空間をご覧いただけますので、ぜひご活用ください。

新プラン登場! 十人十家 くらしの想いを わたしらしく 10人いれば、10通りのくらしの想いがある。さまざまなくらしの想いをかなえる空間をご提案します。 新プラン登場! 十人十家 くらしの想いを わたしらしく 10人いれば、10通りのくらしの想いがある。さまざまなくらしの想いをかなえる空間をご提案します。

エクステリアのリフォームに
おすすめの商品のご紹介

デザインはもちろん、居心地もランクアップしてくれる、エクステリア向けの商品の数々です。

  • 不燃軒天羽目板 ダイライト軒天羽目板

    DAIKEN 不燃軒天羽目板
    ダイライト軒天羽目板

    リブデザインが特徴的な軒天羽目板。グラビオ羽目板Vと同系色デザインなので屋内外で統一感のあるコーディネートが可能です。

  • ルシアス フェンス

    YKK AP ルシアス フェンス

    住まいの魅力を最大限に引き立てる上質で美しいデザイン。洋風から和風、モダンからクラシックまで幅広い住宅におすすめのデザインです。

  • ルシアス カーポート

    YKK AP ルシアス カーポート

    建物と外構が美しく調和し、ワンランク上のラグジュアリー感を創出します。ルシアス シリーズの外構商品とトータルコーディネイトが可能です。

  • エクスティアラ アーチ

    YKK AP エクスティアラ
    アーチ

    上質な風格をたたえたエントランスアーチ。アルミ乾式構造フレームにより、美しい納まりと工期の短縮を実現します。

  • リウッドデッキ 200 EG

    YKK AP リウッドデッキ
    200 EG

    リウッド(再生木)を使用した安心・長持ちのデッキ材です。耐候性などの優れた機能はそのままに、高級感のある美しく繊細な木目が、上質なリラックス空間を演出します。

  • ルシアス バルコニー

    YKK AP ルシアス
    バルコニー

    豊富な格子デザインやスリムなパネルなど多彩なデザインから選べるバルコニー。玄関ドアやルシアスシリーズの他のエクステリア商品と組み合わせて住まい全体で統一感のある外観を演出できます。

  • 住宅向けシミュレーションツール Interior Image Web

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    相談センター

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  • 3省連携、「住宅の省エネリフォーム支援」補助金スタート!

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    国土交通省、経済産業省、環境省が連携する新たな補助金制度が創設されました。補助金を活用して、おトクに、快適な省エネリフォームをご検討ください。

※この記事内容は、2023年3月29日時点での情報です。ご了承ください。