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古民家リモデルの処方箋!
形態 | 一戸建て |
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築年数 | 66年 |
家族構成 | 本人、奥様、子ども(3人) |
リフォーム面積 | 147.7m² |
施工期間 | 110日 |
総工費 | 1820万円 |
使用したTDY商品 |
キッチン:ミッテ(TOTO) |
テーマ |
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リフォームポイント
奈良の民家(築50年以上)は大よそが南北にエンガワを配した四間取り(田の字)の和室となっています。
そして、玄関から通り土間を挟んだ落ち棟に煙だしがあり、竈があったり、玄関脇には米蔵もしくは馬や牛の小屋で、ツシ2階には以前は土やワラ敷きつめ蚕を養殖していた。という場面が多いようにおもわれます。
そして、昭和の中期以降に土間に低い床をつくり、竈からキッチンと食卓へといった流れではないでしょか。
今回はその無理矢理だった以前のリモデル部分を取り壊し、土間断熱を施してから水周りを取り込み、通り土間を再生させ、建築当時の素直で、美しく豪快な佇まいを生かしたリモデルをめざしました。
昔の暮らしの中で、居間は座が主流であり、南の和室は活用されていたのだろうと考えますが、現在の暮らしの中では一番使用される部屋はダイニングキッチン+リビングが主流であり、一番快適で過ごしやすい空間へもってくるのが最適だと考えました。施主様の場合もLDKに家族が集うことを念頭に配置を決めました。これは先代の茶の間と同じ感覚であり、今の暮らしに寄り添う方法だと考えました。「食す、、語らう、寛ぐ」の場所は中庭が見える南面へ
又、間取りとしては近い将来、近所の子供たちにお勉強を教えたり、友人を招いて家遊びを計画中のご家族に、人が出入りしても生活スペースと動線を分けてつかえるよう、ゾーン分けし、階段を2ヶ所設けました。
予算の工夫としては、今の構造に寄り添い生かすこと、建具の高さは変えないこと、施主様でできることはお願いすること、使えるものはリメイクして使用するなどとルールを決めました。そして窓の性能、床下の断熱などを整え、冬の日射熱を獲得し、夏は日射遮蔽しながら風を通す通風雨戸を採用することで、パッシブで快適な空間をめざしました。
又、暗く湿気がたまって蟻害が散見された洋室や、過去の無理な増築で通気性が悪くカビが多かった廊下を挟んだ西面の部屋もカビ菌の除去、防湿工事などを施し住環境も整えました。
退職を迎え、セカンドステージに立たれたご夫婦が、親の家を継いだからこそできた豊かな空間であって欲しい!
ご家族が仲良く、人が集いやすい空間であってほしい!という想いをつむぎ、施主様参加のリモデルが完成しました。
築66年の石場建ての民家は施主のご両親の住居であった。敷地には貝ボタンの工場跡も残っておりました。
2年間は住人が亡くなられ空家となっていて施主は定期的に家の管理を行ってきました。
こちらのお宅はご主人の生家でもあり、想い出の詰まった懐かしい場所を活かしたいと望んでられました。
定年を機に賃貸マンションを引払い、家族でもしくは夫婦で暮らせる住まいに改修するのが夢だとのこと。
快適に暮らしていくには予算面など問題点も多くありました。
■建物の経年劣化や雨漏りなどを気にせず、安心して暮らせるようにしたい。
■窓や開口部は隙間だらけで、マンション暮らしだったので特に冬の寒さを解消し、快適に暮らしたい。
■薄暗い部屋が多く四間の和室も使い勝手が悪い。
■更に家族の趣味も生かせる間取りになればうれしい。
■すべてをリモデルするのではなくて、優先順位の高いところ、本当に必要な場所とそうでない場所でメリハリをつけたプランを一緒に考えていきましょう。残せるものは残しましょう。
■一番日当たりが良い南面の和室は、家族が集うLDKにしましょう。友人とパーティーしたり、ご主人の釣ってきた魚をさばくためキッチン中心のオープンキッチン!でいかがでしょうか?又お鍋から直接とりわけ、配膳が出来るよう、IHは食卓側へ配置しましょう。
■ご家族でも出来る工事は自らお願いします。「愛着と予算削減と想い出つくり」
■暗い北側の洋室は思い切って吹き抜けにし、高い位置に窓を設け開放的にしましょう。将来、ご主人の寺子屋(塾)ができるといいですね!
■洋室側の階段室の下は大容量の収納を設けましょう。
■ご夫婦の寝室は1階へ、娘さんの部屋は2階の和室へ、ツシは床と窓に手を入れてフリールームとしましょう。使い方やそのあとのお手入れは施主様のほうでイメージしてください。
リフォームを終えたお客様の声
私たち家族が具体的に言葉にならなかった想いや心理や将来像をカタチにしてもらえました。
私たちの想像を超えた暮らしのデザインを実現してくださいました。出来上がった今、近いうちに家を出て行く!と公言していた娘が家に楽しみを見出しツシのフリールームに山グッズを飾り、ハンモックを吊って、山友達と合宿や拠点にする!と言い出しました。どうやら家に居座る兆しです。懐かしい建具のリメイクやエンガワを解体したときに取っておいてくれたケヤキの床板を玄関の式台に再生したり、構造の柱や梁を古色で整えたり工事中も感動の連続でした。主人も懐かしいものがよみがえってとってもうれしそうです。おばあさんの時代の古い箪笥も収納にと重宝しています。
リモデルにしかできない、古い民家でしか出来そうにない魅力のある空間に出来上がったときは涙が出るほどうれしく感動しました。又、私たちも防湿工事のため、リモデル以外の場所の床下にもぐって職人さんと一緒に汗をかいた事は我家の武勇伝になっています。その後、家族で過ごす時間が増えました。憂鬱だった家がとても愛おしく何を飾ろうかと毎日暮らしに彩りを添えてワクワク過ごしています(奥様談)。
このお店が施工しました
株式会社創造工舎 (リプラ・フラン・ブーク・けあねん)