第20回エクステリアリフォームで
おうち時間をもっと楽しく!
屋外空間を暮らしに取り込む
アイデア
(写真/特記以外、有限会社 田主丸緑地建設)
2020年にはコロナ禍の影響により、ステイホームを余儀なくされる時期がありました。
そこで、「家で過ごす時間を豊かにしたい」と庭や植栽に手を入れてアウトドア空間を楽しめるようにする
エクステリアリフォームのニーズが高まっています。
庭づくりの提案で数々の受賞歴を持つ有限会社 田主丸緑地建設のグリーンクリエイター、
小西 範揚さんにエクステリアリフォームのポイントをうかがいました。
プロフィール
有限会社 田主丸緑地建設 専務取締役
小西 範揚さん
1972年、福岡県生まれ。東京農業大学造園学科卒業後、99年に田主丸緑地建設を承継。住宅から商業施設、寺院など、雑木の造園からガーデニングまで幅広く手がける。YKK APエクステリアスタイル大賞にて4年連続受賞。
エクステリアの
リフォームとは?
一般的に「エクステリア」というと、敷地内における家の外側全般を指します。庭、塀・フェンス、門柱、門扉、カーポート、アプローチ、ウッドデッキ、植栽などが、エクステリアを構成する主な要素です。
多くの場合、家は工務店などが建築し、エクステリアは専門の業者が施工する、といった具合に、家とエクステリアは別々につくられてきました。「だから、家とエクステリアのデザインがちぐはぐだったり、生活動線がつながっていなかったりする例がたくさんあります。家とエクステリアを一体のものと考えて、有効活用できるようにリフォームすると、もっと暮らしが豊かで快適なものになりますよ」。小西さんはこのように提言します。
エクステリアリフォームの範囲は、門柱や門扉、カーポート、アプローチなど家の前面部分と、庭など公道から見えにくい部分とに大別されます。
■門柱・門扉
門は外観の印象を左右する重要なアイテム。建物とマッチしたデザインにしたいものです。また、扉の開き方や鍵の種類など機能面も重要なポイントです。最近は不在時に宅配便を受け取るための宅配ボックスを組み込む例もあります。
■塀・フェンス
塀やフェンスは、不審者などの侵入を防ぐとともに、外部からの視線を遮る役割があります。しかし、あまりに閉鎖的なデザインにしてしまうと庭を狭く感じたり、外部からの侵入者の姿も隠してしまうので、防犯上、逆効果になることも。高さや素材選びが重要です。
■カーポート
所有している車の台数や車高、駐車方法、敷地と道路との位置関係などのほか、風が強い、雪が多いなどの気候条件によっても設置するカーポートの種類が変わってきます。配置については、車から玄関までの動線も考慮したいものです。
■庭
塀やフェンス、植栽などを工夫し、周囲からの視線をうまく遮ると、庭で気軽にバーベキューやティータイムを楽しみやすくなります。デッキなどを設置することで、趣味や家族の憩いの場にも。デッキの床の高さを室内の床と揃えれば、リビングの延長として連続性が生まれ、利用しやすくなります。なお、植栽はメンテナンスを考えて樹種を選びましょう。雑草のお手入れが大変な場合には、舗装材などで土の部分をカバーする方法もあります。
門まわり、フェンス、カーポートの組み合わせ例
家の外観デザインに合わせ、機能性も検討しながら、門まわり、フェンス、カーポートなどを組み合わせてエクステリアをつくります。下記は代表スタイルとコーディネイトの一例です。
(資料/YKK AP)
ウチソト(家の内と外)
をつなげることで
小さい家でも
伸びやかに暮らす
これまで数多くのエクステリアリフォームを手がけてきた小西さん。最近はコロナ禍の影響を受けて、人々がエクステリアに求める要望が変わってきたことを感じているそうです。「外出を自粛する期間があったせいか、自宅の庭でどれだけ楽しめるか、積極的に追求するようになってきていますね」。
たとえば従来は、庭での過ごし方としてガーデニング、バーベキューくらいであったものが、夏には大きな簡易プールを置けるようにしたい、アウトドア用のテーブルとチェア、あるいはソファを置いてディナーも楽しめるようにしたい、子どもや愛犬の遊び場として走り回れるようにしたい、など屋外空間を生活の一部に取り込むようなプランが求められているとか。
屋外空間を生活に取り込みやすくするために、小西さんがプランニングで心掛けているのは、家の内と外を上手につなぐこと。「従来のように建物とエクステリアが断絶した住まいだと、生活はどうしても家の中だけに閉じ込められてしまいますし、外に出にくいので庭も活用できません。ですから、リビングダイニングの掃き出し窓からデッキを連続させ、室内から庭への動線を確保して、デッキや庭でくつろげるようにリフォームすることをご提案しています。そうすることで日々の暮らしがより開放的に、よりのびやかなものになるはずです」。
また同時に、小西さんは室内から見える景色を整えるために、隣家の空調の室外機や勝手口を隠すように植栽を配したり、その一方で外からの視線を遮りつつ通風、採光が図れるような生垣やフェンスに変えたり、といった提案もしています。「都市部では住宅が密集しているために、カーテンを開けられないような窓もありますね。でもほどよくプライバシーを守って、余計なものが視界に入らないようにするだけで、家に居ながらにして屋外の景色を楽しむことができるようになります」と小西さん。
わが家のエクステリアを
もっと楽しむアイデア
先の章でもお分かりの通り、ウチソトをつないでエクステリアを美しく整え、暮らしの場に取り込むのが、小西さんのエクステリアリフォームのコンセプト。ここでは、それらを実現するための、独自のアイデアの数々をご紹介しましょう。
■家と向かい合うアウトドアリビング
南向きの庭は夏などにはまぶしく、意外と使いづらいもの。比較的、広さのある庭なら、家と向かい合うような“あずまや”などをつくると、日差しを背にしてくつろぐことができます。
■窓の外にアイストップ※をつくる
窓からの景観を整える際に、余計なものを隠すだけでなく、自然と目が止まるようなオブジェや植栽などを設けると、視線があちこちに飛ばず落ち着いた眺めを演出できます。
※アイストップ:人の注意を向けるように意識的に置かれたものを指す
■アプローチを照明で奥行を出す
照明を門から玄関までなどのアプローチに設置してライトアップすることで、夜間の外観が昼間とはまた違った印象に。「たとえば、アプローチが2mしかなくても、植栽を施し、照明を手前と奥に設置すればぐっと奥行きを感じさせることができます」。また、照明で柔らかい光を玄関まわりに添えることで、仕事帰りにやさしく迎えてくれるような雰囲気が生まれます。
■五感を楽しませる仕掛けを用意する
庭の一角に水盤を設けると、光の反射がゆらぐ様子や水音などを楽しめます。また葉音が耳に心地よい常緑樹を植えるのも、風のそよぎを感じるのに効果的。そのような人の五感に響くような仕掛けを用意すると、居心地のよい空間になります。
■高さ4.5~6mの木を活用
“小さい庭には小さい木を入れる”というのが従来の考え方でした。「でも、それでは枝が横に張りだしたときに庭を占拠してかえって狭くなってしまいます。高さ4.5~6mくらいの中高木であれば枝が張っても、ちょうど人の頭上になるので、庭が広く使えるうえ心地よい木陰が生まれます」。
「最近は、設備機器の機能が向上しているので、アウトドアキッチンの要望も多いですね。またガーデンルームをペットと遊ぶ場にしたり、バス設備を設けて入浴できるようにしたいという声もあります。庭はもっと活用しないともったいないですよ」。
こうしたエクステリアリフォームを依頼するには、どのような業者がよいのでしょうか?
「まず要望をきちんと聞いて納得のいく回答をしてくれること。そして、立地や周囲の環境も視野に入れたうえで、現状のエクステリアの問題点と改善方法を具体的に説明してくれること。敷地全体を立体的にとらえて、動線も含めた提案をしてくれる業者をおすすめします」。
屋外空間を生かすことで暮らしの場を広げ、豊かな生活シーンを生み出すエクステリアリフォーム。TDYのコラボレーションショールームでは、TOTOの水まわり、DAIKENの内装建材、YKK APの窓・玄関ドア・エクステリアなど、さまざまなリフォームのアイデアを膨らませるような商品をご覧いただけます。ぜひご活用ください。
暮らしを豊かにする
エクステリア商品のご紹介
おうち時間を快適にするおすすめの商品です。
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DAIKEN ダイライト軒天羽目板
[不燃]リブデザインが特徴的な軒天羽目板。グラビオ羽目板V(天井材)と同系色デザインなので、屋内外で統一感のあるコーディネイトが可能です。
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YKK AP エクスティアラ
住宅まわりに高級感のあるデザインをご提案するエクステリア商品の最高級シリーズ。住まいを引き立て、上質な生活空間をつくり出します。
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YKK AP リレーリア
「フレーム」「スクリーン」「ウォール」「ルーフ」の各パーツを組合せることにより、敷地全体で自由な設計を実現します。
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YKK AP ルシアス
玄関ドアをはじめとするさまざまな住宅商品とコーディネイトしやすく、建物とエントランス、エクステリア全体で統一感のある美しい外観を演出します。
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YKK AP ソラリア
テラスに「屋根」があるだけで、そこは開放感あふれる新しい空間に。開放感と同時にプライバシーにも配慮した「囲い」なら、楽しみ方はさらに広がります。
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YKK AP シャローネ
さまざまな住宅にマッチする水平垂直を基調とした、シンプルなデザインの鋳物シリーズ。門扉・フェンス、アップゲートとトータルに住空間をより美しく演出します。
※この記事内容は、2021年2月15日時点での情報です。ご了承ください。
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