毎日忙しくても、食事も家族のだんらんも大切にしたいもの。だから、家族全員に使いやすいキッチンが人気です。
そんなキッチンのプランニングのポイントは、「デザイン」「動線」「収納」「お手入れ」。
そこで、これまで100棟以上の住宅を手がけてきた建築家の西田 司(にしだおさむ)さんに、
リフォームで理想のキッチンを実現するための、その4つのポイントについて語っていただきました。
自分好みのキッチンを
つくるなら、
まず空間全体の
「デザイン」をイメージしよう
西田さんは「キッチンのプランニングは、つい設備などの機能から考えがち。そうではなく、まず、空間全体をイメージするところから始めましょう」とアドバイスします。
大切なのは
インテリアコーディネート
イメージを実現するために大切なのが、インテリアの検討です。「最近人気が高いオープンスタイルのキッチンなら、リビングやダイニングとの相性にも気を付けたいですね」と西田さん。コツは、空間の雰囲気を大きく左右する、キッチンの壁材や床材から決めていくこと。それに合わせるようにすると、システムキッチンの色調やデザイン、水栓金具や換気扇なども絞り込みやすくなります。
空間のイメージを考える際に役に立つのがキッチンのショールームです。床材や壁材、設備機器などがトータルコーディネートされた展示があり、参考になります。さらに、その展示を参考に、自分なりにシステムキッチンの扉やカウンター、シンクなど各パーツの色調や材質を確かめて選ぶことができます。
雑誌やカタログ、WEBサイトなどから、気に入ったキッチンの施工例を集めてみるのもいいでしょう。色調やインテリアの雰囲気など、自分の好みのデザインがつかめます。
「キッチンでどのように過ごしたいのか」も考えてみましょう。その内容に応じて、シンプルなⅠ型、開放的なアイランド型、家族と向き合う対面型など、適したレイアウトが浮かび上がってきます。「とくに最近人気があるアイランド型は、リビングやダイニングとの一体感が魅力。会話しながらキッチンに立ちたい、みんなで一緒に料理したい、という願いが反映されたスタイルですね。キッチンは、作業の場からコミュニケーションの場へと変わってきているのかもしれません」と西田さん。
また、キッチンのインテリアに個性を演出したいときにおすすめなのが、照明の工夫です。「空間全体を照らすシーリングライトや作業する手もとを明るくするスポットライトのほかに、アクセントとしてカウンター上に好みのペンダントライトを配するといいですね。雰囲気ががらりと変わります」。
「まずキッチン全体のイメージを考えましょう」と西田さん。リビングやダイニングからも目に入りやすい壁や床は、キッチンの印象を大きく左右します。
イメージどおりのデザインを
実現するためのステップ
イメージをスクラップする
自分の好みのキッチンの施工例の写真をスクラップすると、目指すデザインの方向性が把握できます。写真のようにダイニングも含めた空間全体で検討するとコーディネートも的確に。
床材→キッチンの順に選ぶ
「システムキッチンの扉などは色・柄のバリエーションが豊富で目移りしがち。まずインテリアのベースとなる床材を先に決めて、それと照らし合わせると判断しやすくなります」と西田さん。
ペンダント照明をアクセントに
このようにシステムキッチンの上部などに小ぶりのシンプルな照明を一列に配するほか、少々大きめの個性的なデザインの照明をひとつだけ設置するなどの方法も効果的。
料理から洗いものまで
ラクにする「動線」をつくる
シンク脇が主な調理スペースです。「調理道具や食材をたくさん置きたい人は、調理スペースを広めに確保できる、十分な奥行きのカウンターを検討しましょう」。
コンロ、シンク、冷蔵庫の
位置関係がポイント
キッチンでの作業のポイントになるのはコンロ、シンク、冷蔵庫の位置関係です。冷蔵庫から食材を取り出し、調理した後に、食卓へ配膳するという一連の流れが適切な距離感で行えると、食事の支度は格段にスムーズになります。よく行う作業が半歩動けば済むのか、それとも数歩必要になるのか。まず現在のキッチンでの作業をもとに、どこに改善点があるかをあらためて確認してみるとよいでしょう。
「同じ作業ひとつ見ても、そのパターンはひとりひとり違います。たとえば冷蔵庫からこまめに食材を出す人なら、冷蔵庫は調理スペースの近くにあったほうが便利。でも使う食材をひとまとめに出す人なら、数歩離れた位置に冷蔵庫があっても差し支えなかったりします」。ただ、あまりキッチンの奥に置いてしまうと、複数の動線がクロスしてしまいます。家族が飲み物などを取りに来たときに、調理作業を妨げるリスクもあるので要注意です。
食器洗い乾燥機は、皿の汚れをさっと落としてから、床に水滴を落とさずセットできるようにシンク脇に配置するのがセオリー。シンクとコンロの間に収納を大きく確保したい場合などには、その反対側に配置する場合もあります。
調理や片付けを一人でこなすことが多い家庭では、動線はなるべくコンパクトに。たとえば、シンク沿いの通路幅を100cm前後にすると、振り返るだけで背後の食器棚に手が届きます。一方、夫婦ともにキッチンに立つ家庭では、通路幅を120cm以上にするとお互いにぶつからず作業できます。
カウンターの高さは「使う人の身長÷2+5cm」が目安です。ただし、腕の長さなど体型やこれまでの習慣などによって、使いやすさに個人差があるので、ショールームなどで実際にキッチンに立って確認することをおすすめします。
食器洗い乾燥機は調理スペース脇に
ビルトイン型の食器洗い乾燥機はカウンター下に組み込めるので、置き型と比べ、キッチンでの作業を邪魔しません。予洗いからスムーズに食器をセットできるシンク脇に配置を。
カウンターの高さも吟味
カウンターの高さは使う人の体型に合わせると、作業での身体への負担が軽減します。一般的には80~90cmの間で高さが選べるので、自分にとって最適な高さをショールームなどで把握しましょう。
たっぷり入って
出し入れしやすい
「引き出し収納」をフル活用
キッチンには、調理器具や食材、食器、カトラリーなど様々な種類のモノが集まっています。しかも、量はそう簡単に減らせません。油断すると、カウンターや棚などの片付けが間に合わず、キッチンが乱雑になってしまう、と悩んでいる人も多いのでは?
使いやすくて、
しまいやすい収納
西田さんは「わが家のモノの量を把握することから始めましょう」と提案します。食器がたくさんある場合には、その最大寸法や枚数をチェック。鍋などの調理器具、キッチン家電、調味料、ストックする食材なども家庭によって必要な収納量が異なります。
普段、収納庫の中に隠れているモノまであらためて確認すると、本当に必要な収納量がわかると同時に、しまうモノの使用頻度も把握できるようになります。そのうえで、使用頻度の低いモノは奥へ、よく使うモノは手前にしまう、というルールを実践していくと、モノの出し入れはぐんとスムーズになるはずです。
キッチンでの収納の方法で、西田さんがおすすめするのは、引き出しを活用した収納です。「カウンター下の開き戸のキャビネットは、モノの出し入れの際にかがまないといけません。これは、足腰の負担になると思います。その点、引き出しなら、立ったまま上からモノの出し入れができますし、何が入っているか一目瞭然。奥まで使い切れるので、収納量も十分です」。
あとは、使ったモノは元の位置にしまうだけ。すっきりと快適なキッチンで、料理がますます楽しくなりそうです。
モノの出し入れの際に足腰の負担が少ない「引き出し収納」。ひと目で把握できるので使いたい食器をすぐに見つけられます。
大型の鍋、ボウルも出し入れがスムーズ
大型の鍋やボウルも引き出し収納ならスムーズに出し入れ可能。TOTOの「ザ・クラッソ」ではフライパンやまな板、包丁は立てて収納できるので、少し開ければすぐに取り出せます。
「お手入れ」「お掃除」
しやすいキッチンは
設備と建材選びがポイント
キッチンを日々使っていれば、モノを洗うときの水ハネや、料理するときの油ハネなどの汚れからは逃れられません。ですから、掃除のしやすさもキッチンの重要なポイントです。
水や油に強く、
拭き取りやすい素材を
汚れやすいコンロ周りの壁面には、キッチンパネルやタイルなど油汚れを拭き取りやすい素材を取り入れます。シンクからの水が飛び散りがちなシステムキッチンの扉には、水に強いウレタン塗装やメラミン樹脂などの素材がよく用いられます。また、床材はタイルなどのほか、水や油に強く、掃除しやすい仕上げのフローリングも向いています。
「インテリアのコーディネートを楽しみたいときは、対面式キッチンの背後の壁など、油や水の飛ばないような部分に、好みのデザインの壁紙やタイル、飾り棚などをあしらうといいでしょう」。
汚れが気になるシンク内も、シャワー水栓ならすみずみまで洗い流せます。ホースを引き出して水を当てられるので、大きめのまな板なども一気に洗えます。
カウンターやシンクの素材では、ステンレスと人工大理石が主流です。ステンレスは、熱や衝撃、摩擦に強いという特長があり、ハードに使いたい人に向いています。一方の人工大理石はカラーバリエーションが豊富です。天然の大理石と同様の風合いを持ちつつ、調味料や洗剤、漂白剤にも影響を受けません。人工大理石の中でもエポキシ樹脂を使ったTOTOのクリスタルカウンターは透明性が特長であり、耐久性にもすぐれ、お手入れがとてもしやすいカウンターです。透明性を生かした、木洩れ日などをテーマにした柄もラインアップされています。「それぞれ独特の質感や雰囲気があります。資料だけでなく、本物を確認したいですね」。
また最近では、スイッチに触れるだけで水を出したり止めたりできるシャワー水栓や、食材などを洗った後に水が底面のごみを排水口に押し流すように設計されたシンク、分解・手入れがしやすいレンジフードなど、清掃性を重視した設備も増えています。
「自分の好みや使い勝手に合うキッチンは、自然と愛着も湧いてきますよ」と西田さん。毎日使うたびに満足感を味わえるようなキッチンにリフォームしたいですね。
幅広シャワーで作業を時短
TOTOの「タッチスイッチ水ほうき水栓LF」は、ほうきのように水が広がる幅広シャワー。広範囲に水が当たり、汚れを効率的に落とせます。
汚れの落ちやすい床材
大建工業の「エクオスピュアシルク」は、水濡れに配慮したフローリング。汚れが拭き取りやすく、リビングから洗面・トイレまで幅広く使用できます。
レンジフードは分解しやすさ重視
TOTO「ゼロフィルターフードeco」は、取り外すパーツは3つのみ。分解掃除も容易です。整流板は手前と奥が外れる両開き式なので、取り付けたまま、女性の方でも楽な姿勢で表も裏もお手入れできます。
家事がラクなキッチンの
商品・機能ラインアップ
調理からお手入れ・お掃除がラクになるキッチンリフォームにおすすめの商品です。
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TOTOシステムキッチン ザ・クラッソ
雑然となりがちなカウンターを美しく隠し、使い勝手を高める対面プランが新たにラインアップ。周辺ユニットと合わせてプランすることでキッチンワークをさらに効率よく。
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TOTOきれい除菌水
除菌成分を含む"きれい除菌水"をかけるとヌメリや黄ばみを抑えられ、キッチンワークをいつも気持ちよく行えます。
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TOTOタッチスイッチ水ほうき水栓LF
幅広シャワーで手早く洗えます。"タッチスイッチ"で、汚れた手でレバーを触れずに使えて水栓レバーまわりが汚れません。
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YKK APドアリモ 勝手口ドア
ドアは閉めたまま、十分な換気機能が得られます。清掃性に優れたクリアネット網戸を標準装備しています。
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