達人が聞く、リフォーム成功のコツ! I様邸 第4回:細部のこだわり編

妥協ゼロで大いに楽しむ!
想いを宿した理想の住まい

施工中、ご主人が毎晩工事箇所のチェックを欠かさなかったというI様邸には、細部にまで素敵なこだわりが詰まっています。不思議と長居したくなる居心地の良さは、工務店さんとのクリエイティブなやり取りにより実現したもの。第4回目は、住まいの隅々にまで想いを行き届かせたI様の、妥協なき姿勢に迫ります。

プロフィール

リフォームされたお客様

I様(奈良県)

2年前、築27年になる奈良県香芝市のご自宅をリフォーム。友人を招いてホームパーティーを楽しむのが好きな50代のご夫婦。「趣味は家遊び」と公言するほど自宅での時間を大切にしており、住まいに対して強いこだわりを持つ。

インタビュアー

青木律典氏(株式会社デザインライフ設計室)

一級建築士、建築家。代表作に「JID賞ビエンナーレ2014 インテリアスペース部門最優秀賞」など数々の賞に輝いた「シキリの形」(2013)。共著に『これからの住宅をデザインする方法』(エクスナレッジ)がある。

リフォーム情報

家族構成
夫+妻+息子
面積
62.7m²
⇒62.7m²
形態
戸建住宅
日数
81日
築年数
27年
費用
1,600万円
採用商品
TOTO:浴室「サザナ」
YKK AP:窓「エイピアJ」「ワイドスライディング」
担当店
株式会社 創造工舎

Before

After

収納の悩みを一挙に解決した、オーダーメイドの収納スペース

リビングの変更点の一つに、壁面全体を使った大型収納がありますね。

奥様 書類のサイズやCDの枚数など収納したい物を細かく洗い出して、作り付けの収納スペースを作っていただきました。横幅約2m、縦幅約2.4mの大型サイズです。

青木氏 あらかじめ何をどこに収納するか考えてから作ったのですね。上下幅も奥行きも無駄なく使えるように計算されていて、収納力の高さに驚きます。そして何より「存在」としても美しい。ウォールナットでしょうか。温もりを感じさせる木の風合いといい、表情豊かな木目の柄といい…素晴らしいですね!

奥様 そう、独特の佇まいがあるというか、「収納家具」という感じがしないのですよね。

青木氏 リビング入口の扉にも同じ木を使われていますが、こちらは違う木目の柄がアクセントになっています。憎い演出ですね。

奥様 収納といえば、玄関横にも靴収納があります。この部分には鉄骨があるので本来収納を作るのは難しいのですが、無理をいってお願いしました。鉄骨を白に塗り替えてもらった上、鉄骨の上にできたすき間にも棚を作っていただいて。玄関は、両端に置いていた靴箱がなくなったおかげで随分広くなりましたよ。

木目が美しいウォールナットの収納扉。リビング入口の扉にも同じ木材を使って、美しく統一

靴などを収納する玄関の収納エリア。鉄骨上部のスペースにも棚を入れて、空間を有効活用

完成後の暮らしを描き、細部にも目を配る

他にもこだわった箇所はありますか。

奥様 照明や給湯器のボタンなどスイッチ類の高さを揃えていただくよう、電気屋さんにお願いしました。また、PCコーナーでは雑多な配線を隠すため、家具の整理棚に扉を取り付けていただきました。こんなふうに、工事中も細部にまで妥協なく目を光らせていましたね。

青木氏 施工の段階では見落としがちなことがありますよね。中にはたとえ気づいたとしても、工務店さんに気兼ねして言い出せない人もいるかもしれません。

奥様 確かにその気持ちは分かります。けれど、気づいたそのときに想いを伝え、きちんと解決しておかないと後悔することになります。玄関の靴箱もそうですが「無理かな」と思うことでも相談してみることで、素敵な着地点を見いだせることはたくさんあるはずですから。

スイッチ類と電話の子機はひとまとめに。揃えたラインの美しさが、空間の完成度をアップ

市販のデスクに、コード類を隠すための黒い扉(左手前)を増設。見せないひと工夫を

ワンポイントアドバイス

「気になる箇所は早めに相談を」

設計段階で決まった設計図は、リフォームの全体像を示すマスタープランです。工事はこの内容に沿って行われますが、一方で、設計図には盛り込みきれない細かい決め事が多く存在するものです。「スイッチ類のラインをきれいに揃える」などは、その一例ですね。マスタープランを施工段階で変更することはできませんが、細かい決め事に関することなら現場で臨機応変に対応できるものがほとんど。ちょっとした点でも想いを飲み込まず、気になることは早めに相談してみましょう。

高い性能と快適さ。一つひとつの設備に、さりげない工夫

テラスルームはどのように変えたのですか?

奥様 掃き出し窓には、YKK APの「エイピアJ ワイドスライディング」を選びました。開口部を広くしたいという要望を受けて、工務店さんが勧めてくれました。

青木氏 以前は2枚建の引違い窓だったそうですね。3枚連動片引き窓にしたことで、窓を開いたときの開放感がかなり高まったのでは。「エイピアJ」は断熱性の高い複層ガラスを使っている上、下枠も二重断熱構造になっているので結露をしっかり防ぐことができます。それから、窓の手前は下がり壁になっていて、窓の上枠が隠れるように工夫されていますね。そのおかげでリビングとテラスルームと庭がひとつながりの空間として感じられます。こんなふうに細部へのこだわりを丁寧に積み重ねた結果、最高の居心地が実現したのですね。

浴室はTOTOの「サザナ」を採用されました。

奥様 「可能な限り大きなサイズの浴槽を」と、工務店さんにリクエストしました。

青木氏 「サザナ」にはクッション性の高い「ほっカラリ床」や「魔法びん浴槽」など、TOTOらしいきめ細かな機能が凝縮されています。その割には価格もお手ごろですから、私もよく施主様にお勧めするのですよ。

奥様 「魔法びん浴槽」は保温効果が全然違いますね。主人が仕事で帰宅が遅くなっても、お湯が温かいままなので助かります。

テラスルームの窓は、3枚スライドで開放感抜群。夜は間接照明でシックな雰囲気に

清潔感あふれる浴室はユニバーサルデザインも意識。シンプルな造りだからお手入れもラクラク

ワンポイントアドバイス

「予算にはメリハリを」

リフォームで暮らしの夢が広がると、ついあれもこれもと予算が上乗せになってしまうのが常ですよね。目指したいのは、限られた予算で最大の成果を出すこと。お金のかけどころを工夫することで、それが可能になります。まずは自身の暮らしを振り返り、何を大事にしているのか、これから何を大事にしたいのかを見つめてみましょう。「料理が好きだから、キッチンにはこだわりたい」「家族で過ごすリビングでの時間を充実させたい」というように大切なものが見えてきたら、それに合わせて予算を割り振ればいいのです。

家の隅々に込めた「想い」が、最高の居心地を作る

リフォーム後は、どのように暮らしが変わりましたか。

奥様 かねてより「趣味は家遊び」と思っていましたが、家での時間がいっそう豊かなものになりました。友だちを20人ほど招いてパーティーをするなど、大勢で楽しむ機会も増えましたね。主人と私は高校の同級生なのですが、季節ごとに仲間たちがこの家に集うのが恒例になりました。

青木氏 楽しそうですね!リフォームの前と後では、家で過ごしているときの「心の満たされ感」が違うのではないでしょうか。

奥様 本当にそうですね。私は家にいることが多いのですが、テラスルームの椅子に座ってぼんやりと庭を眺めているだけで幸せな気持ちになります。

青木氏 改めてこの家の居心地の良さは、ご夫婦の「想い」から来ているのだと思います。暮らしにまつわる一つひとつに対して、「どうしてもここにこれを置きたい。じゃあ、どうすればいいだろう?」と丁寧に立ち止まって考えていらっしゃる。どの部分にもお2人の想いが詰まっているから、お話を伺っていても飽きることがありません。

最後に、リフォーム成功の秘訣は何だと思いますか?

奥様 妥協せず、細部にもとことんこだわることでしょうか。その結果、好きなものばかりに囲まれる暮らしを実現できたわけですから。そして今振り返ると、主人も私も、リフォームの過程を大いに楽しんだのが良かったですね。

青木氏 リフォームでは決めなければならないことが膨大にあるため、途中で判断力が鈍ってしまったり、面倒に感じてしまったりすることもあるかと思います。けれど、そこで投げ出してしまってはもったいない。納得のいく住まいを手に入れるために、最後まであきらめないでほしいですね。リフォームは暮らしへの深い想いや夢を見つめ直す、またとない機会です。家族の想いを聞くことで、知らなかった面が見えてくるかもしれませんね。みんなの想いが詰まった最高の住まいを形にするために、ぜひその過程も楽しんでください。

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夏は庭でバーベキューをすることも。居心地満点のテラスルームなら、ワイン片手に会話も弾む

担当店:株式会社 創造工舎